80歳以上の女性単身世帯は3割超!ワタシのおひとりさま期をどう生きる?どう準備する?
「おひとりさま信託」のメリット
現在、「おひとりさま信託」の利用者で一番多いのは、60~70代の女性だとか。 「女性は統計的に『おひとりさま』になる確率が高いからでしょうか。それとも、女性と男性では、そもそも特性が違うからでしょうか……。私も含め、男性は自分が死ぬとか、その後どうなるかなどを想像したくないのかもしれません」と語るのは、「おひとりさま信託」の開発時にチームリーダーを務めていた谷口佳充さん(三井住友信託銀行 人生100年応援部 特別理事)。 一般的に長生きするであろう女性には、それなりの準備が必要なのも頷ける話。今(この先)自分が死んだら、住まいはどうするのか。どんな葬儀を希望するのか。甥っ子に後を託すことになれるけれど、遠方に住む彼になるべく迷惑をかけたくない……。 一生懸命働いて買った愛着のあるブランド品のバッグは、かわいい姪っ子にぜひとも譲りたい。そんなさまざまな思いや希望にも、「おひとりさま信託」が役に立ちます。 「お客さまには、今の時点での情報を書き入れていただくエンディングノートを配布しています。そこに、葬儀のご要望や知らせたい人リスト、遺品の送り先などを書き入れていただきます」(正木さん) このエンディングノートが秀逸なのは、デジタル遺産についても工夫されていること。銀行の通帳や株の取引明細など、金融関係の書類も紙からデジタルへ移行している今、銀行のキャッシュカード、スマートフォンやパソコンなどの暗証番号も記しておかなければ、遺族は情報を取り出すのにも膨大な時間とコスト、煩雑な手続きが必要になるのは必至。 「一覧にしておくことで、後に残された親族の負担は大幅に減ります。実際、ご遺族の方からは「『おひとりさま信託』があって本当に良かった」とのお言葉をいただいております」(谷口さん) 「おひとりさま信託」という商品が世に出て4年。インターネットでの問い合わせのほか、口コミでも広がり、興味をもつ女性は確実に増えているそうです。 「故人となられた方の思いや希望に沿い、すべての手続きを完遂するために、チーム一丸となって動いています。それが、私どもを信頼して託していただいたことへの責任であり、信託銀行としての誇りです」(谷口さん)