「うちの子は奨学金が受けられなかった」という40代の友人。いったいいくら稼いでいるのでしょうか…?
大学や短期大学など、高等教育を受ける学生を対象に、学費を貸したり与えたりする「奨学金」。 学業を続けるにはお金がかかるため、経済的な理由および家庭の事情で、奨学金制度の活用を検討している方もいらっしゃるでしょう。 奨学金制度を利用するには、進学予定の学校や希望する奨学金の種類によって家計基準が定められています。中には世帯収入が基準よりも多いため、奨学金を受けられない場合もあるようです。 そこで今回は、奨学金の家計基準およびそれ以外の基準についてもご紹介します。
奨学金の家計基準はどのくらい?
奨学金には進学予定の学校や希望する奨学金の種類に応じて家計基準があるため、世帯収入が基準を超えている場合は受けられません。奨学金には大きく返済が必要な「貸与型」と、返済不要の「給付型」があります。 それぞれに収入基準があり、家族構成などによっても異なります。大学・短期大学・専修学校(専門課程)へ進学予定の場合、貸与型奨学金の年間給与収入限度額の目安は表1の通りです。
※独立行政法人日本学生支援機構「進学前(予約採用)の第一種奨学金の家計基準」を基に筆者作成 給付型奨学金の収入限度額は、住民税情報により算出された支給額算定基準額に応じて支援区分が分けられます。年間の総収入限度額の目安は表2の通りです。
※独立行政法人日本学生支援機構「進学前(予約採用)の給付奨学金の家計基準」を基に筆者作成 上記から、奨学金が受けられなかった家庭の年収事情は一概にはいえないことが分かります。 「奨学金が受けられなかった」という家庭があった場合に、給付型奨学金では年収が207万円を超えていたためであるケースも考えられます。一方で貸与型奨学金の場合は、年収1000万円を超えていたためだったのかもしれません。 ◆奨学金には収入以外にも基準がある 奨学金には、家計基準以外にも満たさなければならない基準があります。前提として、奨学金は学ぶ意欲のある学生を対象としているため、学力も重要な基準のひとつです。 例えば、進学前の給付型奨学金を受けたい場合は、申し込み時点で以下の2点いずれかを満たす必要があります。 ・高校などの第1学年から申込時までの全履修科目の評定平均値が5段階評価で3.5以上 ・将来、社会で自立し、活躍する目標を持って、入学しようとする大学などにおける学修意欲を有している 進学してから奨学金を申し込む場合、留年中は申込資格を失います。外国籍の方は、法定特別永住者であること、または在留資格に応じて奨学金の対象になります。 奨学金が受けられるかの基準は、進学前後でも変わってきますので、随時確認をして、資格を失わないように気をつけましょう。