大谷翔平の“本当のスゴさ”は本塁打ではなく…監督とチームメイトが絶賛した“ただのヒット”を分析して判明した事実「あのプレーがなかったら…」
「ショウヘイは決して本塁打を狙おうとしなかった」
この大谷の左前打について、後日、ロバーツ監督に話を聞いた。指揮官は熱弁を繰り返した。 「あの場面、彼ならば本塁打、四球、安打での出塁、なんでも出来た。だが、決して彼は本塁打を狙おうとしなかった。攻撃を繋げようとしていた。これはチームメートを信頼し、チーム全員で攻撃しようとする意思表示なんだ。こういうアプローチは選手やダグアウトに伝染する。そして、テオスカーが本塁打で決めた。大谷が見せたアプローチこそ、チームの勝利を最優先に考えた『ウイニング・アプローチ』。ラインナップを『線』として捉え、攻める。素晴らしいものだった」 指揮官はさらに日々の大谷の献身的な打撃のアプローチも褒め称えた。 「彼は良いチームメートとしてプレーすることを理解している。彼は17日の試合でも9回に二ゴロを放ち走者を三塁に進め、その後の犠牲フライを呼んだ。あのプレーがなかったら、我々はあの試合で勝てなかったかもしれない。彼はチームが勝つために、小さなことであっても、しなくてはならない仕事をしっかりやっている。ドジャース野球の真髄とは、1球1球を大切にし、小さなことをコツコツと積み上げていくことなんだ。翔平はそれを良く理解し、実践してくれている。彼は『ウイニング・アプローチ』を理解した『ウイニング・プレーヤー』なんだ」 本塁打は野球の華だ。派手な一撃に目を奪われがちとなるが、野球というスポーツには試合の様々な局面において『すべき仕事』がたくさんある。その一方で『してはいけないプレー』も多々ある。真のプロフェッショナルは決して『してはいけない』プレーはしない。すべき仕事を確実に遂行する。
大谷は“チーム打撃”で勝つ喜びを感じている
思い起こせば、ヤンキース時代の松井秀喜もそうだった。チームメートに高く評価され、手厳しいニューヨークのメディア、目の肥えた野球ファンにも愛された。その理由はすべきプレーを確実に実践し、チームの勝利に貢献したからだった。 大谷も自らの言葉でフォア・ザ・チーム、ラインナップについての意識を語った。 「シチュエーションもそうですし、打線のメンバーが変われば流れも変わると思うので、ここまでもそうでしたけど、ドジャースという球団のラインナップにまずしっかり慣れるというか、そこが一番ポストシーズン、短期決戦に向けて、大事なんじゃないかなと思います。ラインナップにしっかり順応できるように。そこは一番大事だと思っています」 今はケガで離脱中の選手もいるが、ドジャースのベッツ、大谷、フリーマン、スミス、マンシー、T・ヘルナンデスと続くラインナップは他球団にとって脅威の的だ。その彼らは常に『線』で攻撃を仕掛ける。自分勝手なフリー・スインガーではない。これこそがドジャースの最大の強み。メジャー移籍7年目。大谷翔平は初めてその攻撃の醍醐味、チームとして戦う喜びを実感している。充実の秋へ向け、その姿をしっかりと見ていきたい。
(「メジャーリーグPRESS」笹田幸嗣 = 文)
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