今年のX Gamesは日本人選手たちのネクストレベルを感じさせた一戦。中村輪夢は5年ぶりの銀メダル獲得【X Games Chiba 2024】BMX各種目まとめレポート
パーク・ベストトリックは各選手が異次元のトリックに挑戦し、時間内に見事にメイクしたダニエル・サントバルが金メダルを獲得
大会最終日に開催された同競技のベストトリック。前日に行われた通常のラン種目とは違い、一発のトリックの難易度が競われるこの種目ではまたBMXフリースタイル史に新たな歴史の1ページが刻まれた世紀の一戦となった。 今大会の競技フォーマットは20分のジャムセッションの中でのベストトリック採用方式で8名の招待選手が出場。本種目には3大会連続のベストトリック金メダルを狙うビックスマイルが素敵な日本で大人気のケビン・ペラザ(メキシコ)や、本種目だけの出場となった世界初のトリックを生み出し続けるライアン・ウィリアムス(オーストラリア)らが参加した。 以下は入賞者3名が魅せた特に印象に残ったベストトリックを紹介。 まずはラストトリックで今回一の会場の盛り上がりを起こしたダニエル・サンドバル(アメリカ合衆国)の「フレアダブルテールウィップ to レイトバースピン」を紹介。このトリックはクオーターでバックフリップに180度回転を入れた中で、2回テールウィップを決めてその後にバースピンを入れる4コンボの超大技。これはサンドバルが過去に見せた「フレアダブルテールウィップ」をさらにアップデートしたトリックであり、特にハイエアーでの滞空時間とバランスがモノを言う彼だからメイクできたトリックだろう。このトリックをラストトリックで決めきれるそのメンタルとスキルの高さに脱帽だ。このトリックで前回の千葉大会では銀色だったメダルを見事金色に塗り替えてみせた。
そして本種目で銀メダルを獲得したのは時間ギリギリのラストトリックでジェレミー・マロット(アメリカ合衆国)がボックスジャンプのバックワーズでメイクした「180・ダブルテールウィップ to バースピン」だ。180度回転という背中側で着地面が見えない状態で降りるためそもそもダブルテールウィップを決め切る時点で超高難度な大技なのだが、さらに着地直前にバースピンを加えてそのまま着地後すぐターンという完全メイクで決めきった。まさにバランス、タイミング、恐怖心に勝つことなど全てがぴったり噛み合わないこのトリック。サンドバルに逆転される直前まで暫定1位となる見事なトリックだった。 なおサンドバルとは親友でトレーニング仲間であるマロット。とても嬉しいワンツーフィニッシュになったことだろう。
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