【特集】泥沼の内戦が続くミャンマー「自分だけが逃げた」日本にも及ぶ監視の目 福岡に逃れた女性は今
FBS福岡放送
日本とも関係が深い、東南アジアのミャンマーでクーデターが起こってから3年半あまりが経過しました。弾圧を恐れて福岡に逃れたミャンマー人の女性は、ある“葛藤”を抱えながら生きています。
9月、福岡市でミャンマーの国民的な歌手を招いてコンサートが開かれました。コンサートの目的は、参加費やグッズの売り上げで母国で苦しむ人たちを支援するためです。
ミャンマーは2011年に軍事政権から民政に移管され、アウン・サン・スー・チー氏らのもとで民主化を推し進めていました。しかし、2021年2月に影響力の低下を危惧した国軍が突如、クーデターを起こし、国の実権を握ります。抗議デモで抵抗する市民に対して、国軍は力で弾圧するなど泥沼の内戦が続いています。
福岡に逃れて
2023年4月から、福岡県内のアパレルメーカーで洋服の型紙を作る仕事をしているミャンマー人のモンさん。クーデターが起こる前は、ミャンマーで洋服店を営みながら充実した日々を送っていました。しかし、クーデターによって仲間と一緒にデモに参加する毎日が始まりました。 ■ミャンマーから福岡に逃れた モンさん(仮名・33) 「(治安当局は)催涙弾やゴム弾で撃ってきたり。私たちは逃げられたけど、逃げられなかった友だちは拘束されたりしました。」 『このままミャンマーにいたら、私も捕まるかもしれない。』 迷った末に、かつて留学したことがある日本に逃れることを決めました。しかし、頭から離れなかったのは母国で戦う仲間のことでした。 ■モンさん 「自分だけが、平和で安全な国に逃げたという罪悪感が強かったです。日本に来てずっと。」 母国を支援する力になると信じて、友人らにミャンマーの現実を伝えています。 ■モンさん 「軍が近づいて来て、デモをしたら撃つみたいな感じで。」 ■モンさんの同僚 「戦争が身近に感じられて怖くなりました。 自分がどれだけ、日本に住んで平和な暮らしを送っているのか身にしみて痛感しました。」