埋もれた世界のニュースとは? あまり報じられなかった重要なトピックを厳選…専門家に聞く
■3位 世界の難民、10年で倍増
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、半年ごとに発表している報告書で、6月末時点での世界の難民の数が1億2260万人にのぼると推定した。10年前の2014年と比べると約2倍の人数だ。難民の数は12年連続で増えていて、特に昨年末から今年前半にかけては約530万人と5%増えているとした。 難民が激増した一因として、アフリカ・スーダンでの紛争がある。UNHCRによると、スーダンでは今年の前半だけで160万人が新たに避難民となった。また、国際移住機関によれば、スーダン人口の約3割にあたる1400万人以上が、国内外への避難を余儀なくされている。ほかにもミャンマーやコンゴ民主共和国、ハイチなど、政情不安のある地域での難民の増加が目立っている。 スーダンの状況は難民の数や人口に占める割合などで見ると、ガザの紛争やウクライナ侵攻に比べてもさらに深刻な状況だ。にもかかわらず、報道の量はガザやウクライナの方が圧倒的に多い。GNVのホーキンス教授は、アメリカ政府をはじめとした国際的な関心の薄さが、報道の少なさにつながっていると指摘する。
■ネガティブなニュースばかりではない?
ほかにもランキングでは気候変動や、表現の自由への脅威、薬物増産などのトピックがランクインしている。一方で、世界的に社会福祉制度へのアクセスが増えたことや、中央アジアでの国境画定、西アフリカからの仏軍撤退など、一概にネガティブと言えないものも取り上げられた。全容は下記の通りである。 第1位 世界で18歳未満の少女の8人に1人が性的暴行の被害に直面 第2位 44億人が安全な水不足、これまでの推定の2倍に 第3位 避難民、10年で倍増 第4位 イスラエル・パレスチナ紛争で脅かされるヨーロッパの表現と集会の自由 第5位 チャドとセネガルでフランス撤退へ 第6位 気候変動対策について過去最多の91か国がICJで意見陳述 第7位 世界人口の半数、社会福祉制度へのアクセスを獲得する 第8位 南米でコカインの製造が増加 第9位 欧州司法裁判所、西サハラの自治権を認める裁定 第10位 中央アジア最後の国境画定で合意