RWAオンチェーン・プライベート・クレジットとは──メインストリームに浮上するか
リアル・ワールド・アセット(RWA、現実資産)オンチェーン・プライベート・クレジットは、あまり耳にすることのないであろう暗号資産(仮想通貨)の一分野だ。しかし、メインストリームの投資機会を提供し始める可能性があるため、知る価値がある。 プライベート・クレジットは聞いたことがあるだろう。 プライベート・クレジット:非公開で組成、交渉される投資商品。多様なリスク・リターン特性を有する、流動性が低く相対的に高い利回りを提供可能な投資機会から構成されることもあります。公開市場では取引されません(PIMCOより引用) 伝統的金融では、プライベート・クレジット・ローンはノンバンク融資の一形態であり、通常、中小企業に対してノンバンクが融資を行う。 デジタル資産の世界のおけるRWAオンチェーン・プライベート・クレジットとは、RWA(現実資産)を担保にした貸し借りのプロセスをブロックチェーン上で実現したものをいう。オンチェーン・ローンにおけるRWAの担保には、会社の在庫、売掛金、不動産、収益に基づく融資などが想定される。 RWAオンチェーン・プライベート・クレジットを提供するDeFiプロトコルは数少ない。これらのDeFiプロトコルは、世界中の多くの中小企業に対して、ノンバンクの貸し手からの資本へのアクセスを提供している。 ほとんどの場合、RWAオンチェーン・プライベート・クレジットとやり取りする貸し手は、KYC/AML(本人確認/アンチマネーロンダリング対策)、適格認定チェックなどの要件を満たしていなければならない。 プライベート・クレジットをオンチェーン化するメリットは、従来の金融システムに比べて取引コストが削減され、透明性が高まることだ。リスクとしては、借り手の債務不履行リスクや、まだ成熟していない暗号資産業界の未知数があげられる。
プレイヤー
分析会社rwa.xyzによると、現在アクティブなローンに基づく3大オンチェーン・プライベート・クレジット会社は以下の通りだ。 Credix(クレディックス)やClearpool(クリアプール)のような小規模な会社も2023年を通して、この分野でポジションを築いた。 注意しなければならないのは、現在最大のオンチェーン・プライベート・クレジット会社が、明日もそのポジションを維持するとは限らないことだ。rwa.xyzによるグラフを見ると、市場シェアは変動し、すべての会社が2022年の暗号資産の低迷期を生き残ることに苦労したことがわかる。2023年、オンチェーン・プライベート・クレジット会社は徐々に復活を遂げている。