明治大と日本学園、北里大と順天…有名私大が「下位・中堅校を次々と系列化で」ウィンウィンな理由
明治大学付属世田谷中学校・高等学校。 聞きなれない校名だろう。’26年4月にスタートする明治大学の系列校だ。母体となっているのは1885(明治18)年創立の日本学園(東京都世田谷区)。同校は’22年3月に明治大と協定を結び、新しい学校に生まれ変わることとなった――。 井上真央や山下智久を輩出し…芸能人の学閥「早稲田が凋落し明治が大躍進!」勢力相関図 有名大学と私立高校の連携が活発化している。最近成立した主な例を以下に紹介したい。 ・青山学院大と横浜英和女学院(神奈川県横浜市。新校名は青山学院横浜英和に) ・青山学院大と浦和ルーテル学院(埼玉県さいたま市。新校名は青山学院大学系属浦和ルーテル学院に) ・日本大と日出(東京都目黒区。新校名は目黒日本大学に) ・北里大と順天(東京都北区。’26年4月スタート予定) なぜ各高校は、大学との連携を強めるのだろうか。教育に詳しいジャーナリストの石渡嶺司氏が語る。 「有名大のネームバリューを使えるのが大きいでしょう。校名に明治や青学の名前が入れば、知名度やステータスが増し人気が上がります。有名大の系列校となるのは、競争の激しい中学受験で生き残るための有効な手段と言えるんです」 失礼ながら、前述したいずれの高校も難関とは言い難い。下位・中堅校だ。有名大学側からみたメリットはどこにあるのだろう。石渡氏が続ける。 「下位・中堅校でも、成績上位層は学力十分で優秀です。系列校の推薦枠で、受験が本格化する前の年内に優秀な生徒を確保できるのは大学にとってメリットが大きいでしょう。有名大といえども、今後加速する少子化を考えれば学生の獲得は重要な課題なんです。 高校との連携に積極的なのは、ある程度ネームバリューと知名度のある大学です。とはいえ東大や京大、一橋大、東工大を目指す中学高校の難関・上位校からすると、進学先として明治や青学に大きな魅力を感じない。系列化は難しいでしょう。自然と協定相手は、下位・中堅校になるんです」 高大連携は進学先としての系列化にとどまらない。大学生がインターンシップで高校の教壇に立ち教師として指導。逆に高校生が大学の講義を受け、研究に参加するケースもある。教育と経営の両面で、お互いに得る部分の大きいウィンウィンの協定だろう。 今後、高校と有名大学の垣根はどんどん低くなっていきそうだ。
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