ヨーカ堂新ブランド発表 総菜がなぜ経営再建の鍵?【WBS】
1967年にイトーヨーカ堂がプライベートブランド第1号として立ち上げた衣料品のブランド「ヨーク」。そのイトーヨーカ堂が22日、新たなブランドを発表しました。それが「ヨーク・デリ」です。今回のヨークは”総菜”。経営の立て直しが必要な今、なぜ総菜を刷新するのでしょうか。 【動画】イトーヨーカ堂 総菜の新ブランドを立ち上げ 素材から味など徹底的にこだわり 熱々の油で作られる揚げ物に新鮮な寿司。イトーヨーカ堂が新たに立ち上げた総菜の新ブランド「ヨーク・デリ」の売り場です。一見するとこれまでと同じように見えますが、どう変わったのでしょうか? 「今回はご飯を注力して作っているので、ある種ご飯がメイン」(「イトーヨーカ堂」伊藤弘雅商品本部長) イチオシはお弁当などに使うお米。複数の種類を混ぜたブレンド米ですが、京都の老舗米店「八代目儀兵衛」がその配合を監修しました。 「従来出していたお米と今回新しく取り入れるお米で食べ比べてみます。全然違いますね。新しい方は甘くて弾力があり、しっかりとした粒感があります」(白井亨佳記者) 寿司も酢飯に使う酢を刷新。5種類の酢を配合し、ネタの旨みが引き立つよう再構築しました。また卵焼き専用の調理マシンも導入し、1本作るのに3分かかっていた調理時間が2本で2分30秒となり、作業効率がアップしました。 このように、素材や作り方を見直すことで値段を据え置きにしながら、総菜の質の向上に努めました。
さらに「自社工場で作っているコロッケ。ジャガイモの品種からこだわって作っている」(伊藤部長) 2月に新設したセントラルキッチンの総菜も活用し、商品数を300種類に拡充しました。 総菜ブランドの刷新を決めた背景には何があるのでしょうか? 「苦しい1年だった。これまで抜本的なものに手をつけなかったことで、ずるずる・だらだらと業績が上げられなかった」(イトーヨーカ堂の山本哲也社長) 4期連続の最終赤字で厳しい業績が続くイトーヨーカ堂。外食の値上げが続く中、来店のきっかけにもなりやすいという総菜の刷新で店に来る客を増やしたい考えです。 「4月からは本来あるべき成長の姿である客数を上げ、売り上げを上げる。その中でも総菜の強化に対して人員をシフトさせながら売り上げを上げていく」(山本社長) イトーヨーカ堂は食品売り場の改装に今年度におよそ200億円の投資を行っていくということで、食を起爆剤にしていきたいということです。 ※ワールドビジネスサテライト