4分の3の住宅が解体 住まい変われど“地域の絆”必死に守る集落 能登半島地震1年
加代さん 「だいぶ落ち着いた。戻ってこられたのが僕ら一番うれしいので、作るのもずっと見とったので、入っていただいて本当に良かったなと思って」 金沢市のみなし仮設住宅から入居する吉川玲子さん 「5か月ぶりに(戻ってきた)。(ふるさとは)空気が違う感じ。澄んでいるというか、ここに来たら胸がすっとする」 住民の多くがふるさとに残る選択をし、復興への光が見える一方、姿を変えるふるさとへの想いが通信にはつづられています。 下唐川通信 2024年11月10日(日) “公費解体が順調に進んでいます。『公費解体』『順調』という言葉は、地震からの『復興』という何となく前向きな言葉に聞こえてきますが、でもそれは、それまでそこにあったものが無くなり、私たちの記憶の中だけに残されるということです” 12月中旬、公民館で地区のこれからを話し合う会が開かれました。話が進むにつれ、話題は地区の祭りに。 復興委員・堂田敏夫さん 「祭りの行事をやりながら人が集まるということも、地域が一つになっていく道筋として大切なことだろうと思う」 復興委員・左部淳一さん 「もう私らは高齢化をして行事を維持して行くことが不可能になったんで、震災を機会に辞めさせてくださいというしか方法はない」「そのために祭りも必要だから必要な数の祭りにして歳の行った人間でもやれる形に残せ」 加代さん 「外部から来たたくさんの人とのつながりも生まれていますし、自分たちの村にいた人たちのつながりも大事にしたいし、つながりという部分を復興のイメージの中心にしたいと思っている」 「去った人たちでも、いつでも来ても下唐川に戻ってきて良かったなと思えるような、そんな復興をやっていきたい」 自宅を新築することにした加代さん。12月16日、建舞(上棟式)の日を迎えました。 加代さん 「自分の所は新築できますけど、まだ直っていない家とかブルーシートがまだかかっている家もたくさん能登半島にある。気持ちの温度差が生まれてきているなと感じますので、うれしい反面そういう方のことを思うと心から喜べない」
北陸放送