介護費用の平均は600万円!?親の介護のための「心構えと準備」を10年以上経験者と考える
介護が大変だということは何となく分かっていても、経験したことがない方は「じゃあ何が一体大変なの?」と思われるかもしれません。今回の相談者・美和子さんもそんなひとり。ただ、漠然と大変なのかも……と思うだけでなく、来るべき介護に備え、心の準備をしておきたいとのこと。そこで今回は、実際の介護経験談を交えながら、「介護における大変なこと」について考えます。 【画像】介護で大変なことランキング、「排泄の介助」は2位。では1位は?
介護は何が大変なの?
子育ても一段落し、近頃は自分の老後や両親の今後について考えるようになりました。実家の両親はもうすぐ80代。今は2人とも元気ですが、年齢的にいつ介護が始まってもおかしくありません。会社の先輩や友人の間でも、「親が老人ホームに入居した」「親が老々介護状態で定期的に帰省している」という話をチラホラ聞くようになりました。そんな介護経験者たちは皆「介護って大変だよね」と口を揃えます。 でも一体何が一番大変なんだろうと思ったんです。自分の老後を考えると、お金に苦労しないために今のうちから貯蓄をしておくとか、介護されない体づくりに励むとかいろいろ考えられますが、親の介護に関して今のうちに備えられることはあるのでしょうか。 突然介護が必要になってあたふたしないために、大まかにでも全体像が把握できていれば心に余裕が生まれるかなと。せめて介護をする上で大変なことを教えていただけますか?
費用の平均は600万円?
介護で大変なことと言われると、まず「介護費用の確保」や実際に誰が介護を担うのかという「人の確保」が挙げられます。施設に入居すると家族の負担は減りますが、当然その分費用がかかります。 介護期間は平均すると5年1カ月と言われており、その間にかかる月々の費用は平均8.3万円(公益財団法人生命保険文化センター「生命保険に関する全国実態調査」より)。それに一時的な費用を加えるとトータルで平均600万円ほどになりますが、その金銭的負担はどこで介護をするかによって大きく変わってきます。 筆者は10年以上の在宅介護を経験しました。感情や体調をコントロールしながら何とか最後まで全うしましたが、ずっと平穏だったわけではありません。介護費用は親のお金から捻出していたので苦労はしませんでしたが、実際に介護をする際の肉体的負担、それから精神的負担を感じる場面も多々ありました。 一般的なことも含め、一体何が大変だったのか振り返ってみます。