<サッカー>U-23のリオ五輪出場可能性は死の組免れても50%
最悪の事態は免れた。いや、それどころか恵まれたと言ってもいいだろう。 来年1月、カタールのドーハで予定されているリオ五輪サッカー・アジア最終予選(=AFC U-23選手権カタール2016)の組み合わせのことだ。 12日に決まったグループ分けは、以下のとおりだ。 グループA:カタール、イラン、シリア、中国 グループB:サウジアラビア、日本、北朝鮮、タイ グループC:イラク、韓国、ウズベキスタン、イエメン グループD:ヨルダン、オーストラリア、UAE、ベトナム サッカーのオリンピック競技には23歳以下という年齢制限があるため(本大会では3人のオーバーエイジが認められるが、予選では認められない)アジア最終予選に参加するのは、現在22歳以下、来年23歳以下のチームとなる。 元ベガルタ仙台の手倉森誠監督率いるU-22日本代表には、8月の東アジアカップでA代表デビューを飾った遠藤航(湘南ベルマーレ)と浅野拓磨(サンフレッチェ広島)、川崎フロンターレで不動のボランチを務める大島僚太といった選手たちがいる。 ここで最終予選のレギュレーションを簡単に整理すると、4チームずつの4グループに分かれてグループステージを戦い、各グループ上位2チームがノックアウトステージへ進出。上位3チームがリオデジャネイロ五輪への出場権を獲得することになっている。 つまり、8チームが進出するノックアウトステージに進めても、準々決勝で敗れれば、その時点で終わり。準決勝で敗れても3位決定戦に勝てば、出場権を獲得できるというわけだ。 今回の組み合わせが日本にとって「恵まれた」と思える理由は、この世代で現在アジア最強と言われるイラク、それに続く韓国と異なるグループになっただけでなく、ベスト8でも対戦することがないからだ。 実は、世代別の日本代表には今、「ベスト8の壁」なるものが存在する。 中田英寿らを擁して1995年に出場して以来、7大会連続して出場してきたワールドユース(現U-20ワールドカップ)は、2009年大会以降、4大会連続してアジア予選で敗退しているが、そのすべてがベスト8で散っている。 また、リオデジャネイロ五輪への出場を目指しているU-22日本代表も、AFC U-22選手権オマーン2013とアジア競技大会、ふたつのビッグトーナメントにおいていずれもベスト8で敗退したのだ。 しかも、AFC U-22選手権オマーン2013のベスト8で敗れた相手がイラクで、アジア競技大会のベスト8で敗れた相手が韓国だった。アジア競技大会のグループステージでは、イラクにも敗れている。 前述したとおり、リオデジャネイロ五輪への出場枠は「3」のため、準決勝や3位決定戦でイラクや韓国と戦うことになる可能性は高い。だが、苦手意識のある両チームと、鬼門となっているベスト8でぶつかることが避けられたのは、精神的に大きい。