細川ガラシャ辞世の句を引用 辞職会見で川勝氏、陶酔と批判も
静岡県の川勝平太知事は10日、辞職願提出に伴う記者会見で、数奇な運命をたどった戦国時代の姫、細川ガラシャの辞世の句を引用し、2009年当選から4期目途中で辞職する去り際の心境を語った。県民からは「自己陶酔だ」と批判の声も上がった。 ガラシャが亡くなる前に詠んだとされる「散りぬべき 時知りてこそ 世の中の 花も花なれ 人も人なれ」は、散っていく花に人を重ねその在り方を説いた内容。川勝氏は辞職願提出前、報道陣から辞職の心境を問われこの句を持ち出して応じた。 記者会見では、引用の理由について「素晴らしい辞世の句だ。とっさに出てきた。ガラシャはカトリックで自殺するわけにいかないが、辱めを受けないために逃げることなく死を決意した。感動的で、(自分が)昔から行動規範として持っているもの」と説明した。 静岡市の無職澤本悦男さん(66)は県庁近くの公園で「もっと早く辞めるべきだった」と川勝氏を批判。「自分自身の去り際が美しいなんて勘違いも甚だしい。自己満足でしかない」と話した。