「若い方を中心に」北海道・東北率いる屋敷伸之監督、寒さ吹き飛ばすパワーで“最強地域”へ ルール変更は「各監督もいろいろと考えている」/将棋・ABEMA地域対抗戦
全国を8つのブロックに分け、エリア対抗の形式で行われる団体戦「ABEMA地域対抗戦2025 inspired by 羽生善治」が1月11日に放送を開始する。北海道・青森・秋田・岩手・山形・宮城・福島の最大エリアを率いる屋敷伸之九段(52)は、「若い方を中心に」と出場登録棋士のプランを立てている。予選敗退で終えた前回大会から、迎えた第2回大会。「まずは一勝そして予選突破が目標」と着実な前進を狙う。 【映像】ルール変更への意気込みを語る屋敷監督 前回大会は予選Aリーグで予選敗退を喫した北海道・東北。それでも関西Aとの予選リーグ2位決定1回戦では、4連敗で暗雲が立ち込めていたチームに札幌市出身のエース・広瀬章人九段(37)が登板。まさに“ヒーロー”の活躍ぶりで怒涛の5連勝で劇的勝利を飾ったシーンは、第1回大会の名場面として刻まれている。同市出身の屋敷九段にとっても思い出深い様子で、「広瀬九段が最後まくり切ったことが印象に残っています。ファンの皆様の熱い応援や期待がチームを押してくれたという感じですね」と笑顔で振り返っていた。 初回は地力に加え、地域での将棋普及に力を入れているメンバーを選出したという屋敷監督。第2回大会の監督会議を前に、「今回はある程度若い方を中心に選んでいこうかなと考えています」と構想を明かした。 8地域の中で最大エリアのチームながら、棋士の数は少ない。しかし、今年度の勝数ランキング1位と高勝率をキープする山形県鶴岡市出身の岡部怜央四段(25)や、前年大会で活躍ぶりが目立った岩手県釜石市出身の小山怜央四段(31)は、フリークラスから順位戦C級2組への昇級を決めた。若手の躍進が目覚ましいチーム北海道・東北だが、朗報はもうひとつ。今年4月には、広瀬九段門下で仙台市出身の山川泰熙四段(26)が奨励会三段リーグを突破しプロデビュー。師弟の出場登録棋士選出もあるか――!?屋敷監督からの名言はなかったが、監督会議の大きな見どころのひとつとなりそうだ。 さらに、今期は『ルール変更』も注目ポイントだ。前回は圧倒的な連勝でチームを一気に勝利へ導く見事な勝ちっぷりも話題となったが、今回大会は監督を含む出場登録棋士全員が対局に臨むことになる。屋敷九段は、この改変をどのように受け止めているのだろうか。「初回も面白いルールだったと思うんですけど、今回は全員参加ということで、そちらもまた面白いかなと感じますね。自分が出ることになりますので、そのあたりどうやっていくかというのは課題になると思いますね」。 前回大会では監督業に専念していたが、“プレーヤー・屋敷九段”の登場にも期待だ。「一応構想は考えてますが、それがうまくはまるかどうかはやってみないとわからないですね。そのあたりは各監督もいろいろと考えていると思いますね」。8地域の監督の個性豊かな采配にも注目が集まる。 地域のファンとともに目指すのは、着実な前進だ。「前回はファンの声援が刺激になりました。まずは一勝そして予選突破が目標ですね」。北海道・東北の将棋熱は冬季も激アツだ。 ◆ABEMA地域対抗戦 inspired by 羽生善治 全国を8ブロックに分けた「地域チーム」によって競う団体戦。試合は監督と出場登録棋士4人の計5人が参加。全員が1局ずつ指す「ステージ1」と、ステージ1で勝った棋士が負けるまで指し続ける「ステージ2」に分かれ、5人を先に倒した方が勝利チームとなる。対局は持ち時間5分、1手指すごとに5秒加算のフィッシャールール。大会は2つの予選リーグに4チームずつ分かれ、変則トーナメントで2勝すると本戦進出。ベスト4となる本戦は通常のトーナメント戦。 (ABEMA/将棋チャンネルより)
ABEMA TIMES編集部