【一夜明けて】急死したゾウは「お姉さん的な存在」だった 来園者は献花台で別れ惜しむ 死因について専門家は 福岡市動物園
FBS福岡放送
ことし7月、ミャンマーから福岡市動物園にやってきたアジアゾウ4頭のうち、12歳のメスが10日、急死しました。11日、動物園には献花台が設けられ、多くのファンがゾウの死を悲しみました。
11日、福岡市動物園のメスのゾウ舎では。 ■元木寛人アナウンサー 「悲しい知らせから一夜明け、動物園全体はひっそりとしています。メスゾウ舎はシャッターが閉められ、ゾウの姿はありません。」 ことし7月、ミャンマーから福岡市動物園にやってきた4頭のアジアゾウ。このうち12歳のメスのゾウが、福岡にきて43日目となった10日、死にました。 10日夕方、福岡市役所で開かれた会見では。 ■福岡市動物園・川越浩平 園長 「いろんな苦労を経てミャンマーから7年ぶりに来て、非常に喜んでいたのに死んでしまったことは、非常に残念に思います。」 動物園によりますと、12歳のゾウは9月5日から足を引きずる様子が確認され、PCR検査の結果、ゾウヘルペスウイルスの陽性が分かったということです。その後、抗ウイルス剤が投与されましたが、10日午前11時ごろ、突然意識を失って倒れ、飼育員に見守られながら死にました。動物園が10日夜から解剖するなどして死因を調べています。 ほとんどのゾウが「潜伏感染」しているというゾウヘルペスウイルス。なぜ、12歳のゾウは死んでしまったのでしょうか。
動物の病気や死因を研究する岡山理科大学の中村進一講師に聞きました。 ■岡山理科大学 獣医学部・中村進一 講師 「ストレスがかかったり、免疫が低下した時にウイルスが活性化して増えて、それが血中に出てくる。(ゾウヘルペスウイルスが)血管内皮細胞に感染するという特徴があり、発生してしまうと症状が重篤になることが特徴です。」 普段は全く症状がなくても、免疫が低下した時に陽性となりやすく、発症すると8歳以下のゾウは死に至るリスクが高いということです。 福岡市によりますと、ほかの3頭のゾウも感染している可能性がありますが、今のところ体調に問題はないということです。