「若い選手から学ぶこともある」“40歳のチャレンジャー”川島永嗣は新天地ジュビロに何をもたらすか「ピッチの中では厳しく、外ではみんなと笑顔で」
「スタンスは変わらない」
GKは川島と、昨シーズンの正GKだった三浦龍輝、J1王者の神戸から期限付き移籍でやってきた坪井湧也、そしてアカデミー育ちでもある大卒ルーキーの杉本光希の4人で競争していくことになる。 杉本は怪我で出遅れているが、キャンプ中に行なわれた鹿児島ユナイテッドFCとの練習試合では、前半に三浦が、後半に川島が出て、それぞれ安定したゴールキーピングを見せた。 そうしたなかで虎視眈々とポジションを狙うのは坪井だ。ただし、開幕戦は神戸が相手であるため、いきなり試合に出られないという、不利な立場からアピールしていく必要がある。 その神戸戦に向けて「今はジュビロの選手なので。自分が伝えられることは伝えないと」と苦笑いする坪井は現在の環境について「凄い経験をしてきた方たちに囲まれてるので、Jリーグでもなかなか無い」と語る。 すでに期限付き移籍が決まっていたところで、川島加入のニュースを聞いた。「お、川島永嗣が入ってくるんだ」と感じたというが、昨年は日本代表の前川黛也と1つのポジションを争っていただけに、J1でやる以上、どこに行こうと厳しい競争があるのは覚悟していたという。競争に年齢は関係ないと自負する川島にとっても、そうした姿勢はウェルカムだろう。 カタールW杯まで4年半、代表チームで苦楽を共にしてきた横内監督も、磐田での川島の姿勢を見て「本当に自分が少しでも上手くなりたいということに、貪欲に取り組みますし、そこに関しては一切衰えてない」と舌を巻くが、その川島に関してもポジションが約束されてはいないことを強調する。 開幕戦は川島か三浦か、第2節以降のポジション争いは坪井が加わり、そこに「川島永嗣さんがずっと憧れだった」というルーキーの杉本がチャレンジしていくことになるが、誰が試合に出ても出なくても、GKチームとしてパフォーマンスを上げていくことが、チームにとって非常に大事であることはJリーグでも、上位のクラブを見れば明らかだ。 そうしたGKチームの競争力を高めていく存在としてはもちろん、ポジションに関係なく伝えていける経験。目に見える形でも、見えないところでも、川島が磐田にもたらすものは大きそうだ。 「スタンスは変わらないので、僕の中では。ピッチの中では厳しくなるし、ピッチの外ではみんなと、笑顔でやっていければ良いのかなと」と語る川島は「強度というのは自分たちが高めていかなければいけないところだと思うし、そこを上げながらね、質もうまく上げていければ」とリアルな目線で、ここからの磐田の戦いを描いている。 取材・文●河治良幸
【関連記事】
- 「最終兵器」を披露できずに終戦した森保ジャパン。対戦国が震撼するはずだった“同時起用”は実現しなかった【担当記者コラム】
- 韓国人記者は「日本とは違うんです」 6試合でなんと716分間プレーしたソン・フンミンとイ・ガンイン。指揮官は温存策を取れなかったのか【現地発コラム】
- 「負けた身なんでね。どうこう言うつもりはない」アジアカップで4得点の上田綺世がオランダ帰還で“熱い決意”を語る!「信頼を得ることが生命線」【現地発】
- 「私は素晴らしかったと思う」8強敗退の日本代表、全5試合を取材した海外記者が最も評価した選手は?【現地発】
- 「日本語を覚えてチームメイトを怒鳴りたい(笑)」磐田新加入のブラジリアンたちに期待大!「どんどん仕掛けていきたい」