アメフトチーム『胎内ディアーズ』!アメフトで地域活性化&地元に愛され奮闘中【新潟】
胎内市をホームタウンにしている社会人のアメフトチームがあります。 その名も『胎内ディアーズ』。発足から2年、地元に愛されるチームを目指して奮闘しています。 【動画】アメフトチーム『胎内ディアーズ』!アメフトで地域活性化&地元に愛され奮闘中【新潟】 アメフトの社会人チームが集う「Xリーグ」。4つのカテゴリーがあり、「X1Area(エックスワンエリア)」で戦うのが胎内市をホームタウンとする『胎内ディアーズ』です。現在は東京・調布市を拠点としていますが、2032年をめどに、胎内市への完全移転を目指しています。 ■ディアーズフットボールクラブ 髙橋孝輔社長 「アメリカンフットボールが持つ“心のつながり”というか、みんながひとつの場所に集まり心をひとつにするというような。そういった力を我々はもっと街に浸透させ高めて、胎内ディアーズという存在によってたくさんの人が集まるそんな街にしていきたいと思っています。」 発足から2年。地元に愛されるチームを目指して奮闘しています。 こちらは、胎内市の商店街にある餅店- ■くどうもちや店員 「(Q.胎内ディアーズってご存じですか?)胎内ディアーズ分かります!(ポスターも)貼ってます。(Q.試合を見ている?)試合は今年の5月に胎内市の陸上競技場で試合があり、出店させてもらった。それこそゼロ距離で観させていただいた。迫力が・・・やっぱり(すごくて)感動しました。」 アメフトを生で見てもらい、その魅力を肌で感じてもらおうと胎内ディアーズは去年と今年、春の開幕戦を地元で開催しました。 ■くどうもちや店員 「胎内市としてはウェルカムなので、早く来てほしいです。」 現在は東京・調布市がディアーズの活動拠点。北は北海道、南は静岡と全国各地に散らばる選手たちが、週末になると練習のために集まってきます。プロ契約は外国人選手の1人のみ。他の選手は、平日仕事をしながら練習や試合に臨んでいます。 新潟にゆかりのある選手もいました。ディフェンスラインの笹川選手。東京出身ながら新潟の風土が気に入り、十日町市の農業法人で働いています。 ■胎内ディアーズ 笹川優太選手 「十日町市は本当にいい場所というか、今の仕事の生活リズムも自分に合っていて仕事も楽しい。」 胎内市へのチーム移転については… ■胎内ディアーズ 笹川優太選手 「新潟県にもアメフトをやっている学生たちもいると思うので、新潟の人たちでも盛り上がったり。東京から移住で来てくれる方たちも増えたら、新潟自体が盛り上がると思う。」 新潟への移転に向け、孤軍奮闘する選手がいます。 神奈川出身の小川悠樹選手。アキレス腱を断裂し、リハビリメニューをこなす日々ですが・・・実は去年から胎内市に移住し、地域おこし協力隊として活動しています。現在は小川選手が代表者となり、胎内市でPRや地域貢献に励んでいます。この日は、市のスポーツ振興係と打ち合わせ。ディアーズは2023年、胎内市と連携協定を締結。市主催のスポーツイベントで講師を務めるなど、アメフトを通じたスポーツ振興に力を入れています。 ■胎内市のスポーツ振興係担当者 「(アメフトは)アメリカではかなり人気ですので、日本でもゆくゆくはアメリカに次いで、人気スポーツになってもらえればと思っています。」 地元の小学校を訪れた小川さん。教えるのは『フラッグフットボール』というスポーツです。タックルの代わりに、ボールを持った選手の腰に巻いたフラッグを奪います。次の夏季オリンピックの競技にも選ばれました ■胎内ディアーズ 小川悠樹選手 「今のチーム、Dチームの渡すふりの作戦とてもよかったです。」 背の高さ・足の速さに関わらず、みんなが役割を持ち作戦次第で勝てるのがアメフトをベースにしたフラッグフットボールの醍醐味。 ■小学生 「私は運動が苦手で、そんなに運動をしようと思ったことがないのが、この授業で運動の楽しさと大切さを改めて実感しました。」 ■胎内ディアーズ 小川悠樹選手 「まずはスポーツの良さを知ってもらうのが1歩目かなと思っています。それで胎内ディアーズを知ってもらって、アメリカンフットボールの魅力だったり胎内ディアーズの魅力も伝えていって。胎内市のみなさんに胎内ディアーズを知っていただいて、地元のチームだって思ってもらえるようにいろんな活動をどんどんやっていきたいなと思っています。」 特別な思いでディアーズを応援するファンがいます。 アメリカのプロリーグ「NFL」でアメフトにはまった夫の慶之さん。ディアーズ発足の知らせが届いた時、辛い出来事に直面していました。 ■胎内ディアーズファン 佐藤慶之さん 「実は私2年前、胎内ディアーズが来た年・令和4年ですね。実は、がん・・・悪性リンパ腫にかかった。」 大病を患い治療中だった慶之さんを支えたのが・・・ 〝ディアーズの存在〟 ■胎内ディアーズファン 佐藤慶之さん 「これは大変だと思いました。」 一時退院を許された時、チームが初めて胎内市で練習を公開。辛い体をおして、見学に行きました。 ■胎内ディアーズファン 佐藤慶之さん 「やっぱり目の前で選手のヘルメットや防具がぶつかり合う音、雄叫びをあげながらぶつかっていくというのが、やっぱりテレビとは違うものがありました。」 ■妻・佐和子さん 「一時退院していたので、抗がん剤の影響もあって体力も落ちていたので『もし体調が悪くなったら途中で帰る』と言っていたが、最後まで写真を撮ったりすごく楽しかった。」 元気と生きる希望を与えてくれた胎内ディアーズ。 ■胎内ディアーズファン 佐藤慶之さん 「せっかく胎内市を選んでくれたってことであれば、なんとかこのチームの移転がうまくいってほしい。」 胎内で育んだ応援を力に- ディアーズは11月末、今シーズンの最終戦に臨みました。この試合に勝てば、上位のカテゴリー「X1スーパー」に昇格する入れ替え戦。 第1クオーター、ディアーズはランニングバック田頭が38ヤードを走り切って、タッチダウン!幸先よく先制します。 同点に追いつかれた、第3クオーター。相手のランプレーでディフェンスを突破され逆転を許すと・・・残り時間2分を切ってのゴール前オフェンス。パスを通して、タッチダウン!土壇場で同点に追いつきます。 試合は延長タイブレークへ。最初に得点を奪った方が勝利となります。先にフィールドゴールを決めたのは、相手チーム。ディアーズ、1年でのX1スーパー復帰はなりませんでした。 ■胎内ディアーズ 小川悠樹選手 「もうちょっとのところを(勝利を)つかみきれなかった。悔しいなと、申し訳ない気持ちでいっぱいです。この1年で応援しているよと声をかけてくださったりとか、イベントで声をかけてもらう機会が少しずつ増えていると感じているので。(来季は)昇格という姿を胎内ディアーズファンのみなさん、胎内市や新潟のみなさんすべての方に応援してもらいながらそんなシーズンにしていきたいなと思います。」