【老後資金は投入厳禁】ハラハラ・ドキドキ…あえての「高金利通貨投資」という楽しみ〈経済評論家が解説〉
小遣いでバクチを楽しむなら、悪くないかも…!
高金利通貨はリスクがありますから、大切な老後資金を投資するのはお勧めしませんが、小遣いの範囲でバクチを楽しむのであれば、悪くないかもしれません。 銀行等は臆病(慎重)なので、「金利は10%だが10%の確率で償還されない」という国には貸しません(ここではトルコリラが暴落するリスクのことは考えないことにしましょう)。「金利は14%だが10%の確率で償還されない」という案件なら、貸すかもしれませんが。 ということは、読者は容易に「金利は12%だが10%の確率で償還されない」という国債を手に入れることができるかもしれません。 これは、確率的に儲かる(「期待値がプラスだ」といいます)案件なので、カジノ(期待値がマイナス)でバクチを楽しむ代わりに高金利通貨国債を買う、というのは選択肢でしょう。 高金利通貨に投資するにあたり注意が必要なのは、為替手数料です。高金利通貨を買うときと、満期償還された高金利通貨を売るときには、結構高い為替手数料がかかります。バクチだからといって短期勝負に挑むと、期待値のプラスより為替手数料の方が大きくなってしまうかもしれません。 「高金利通貨を長期間保有して、高い金利を長期間享受する」を目指すべきでしょうね。
「米国人の為替リスク」と「日本人の為替リスク」の違い
トルコ国債の金利が、米国債の金利よりも5%高かったとします。米国人投資家にとっては、「米国債を持てば為替リスクが無いのに、トルコ国債を買うと為替リスクがあるのだから、金利が5%くらい高くないと買いたくない」ということなのでしょう。 日本人投資家からすると、「米国債もトルコ国債も為替リスクがある。トルコ国債の為替リスクの方が大きいけれど、金利差が5%もあるのなら、トルコ国債も十分魅力的だ」ということになるかもしれませんね。 もっとも、米国人のほうが日本人より大胆(ハイリスク・ハイリターン志向)なので、結果として日本人のほうがトルコ国債を多く持っているのか否かはわかりませんが…。 本稿は以上ですが、資産運用等々は自己責任でお願いします。なお、本稿はわかりやすさを重視しているため、細部が厳密でない場合があり得ます。 塚崎 公義 経済評論家
塚崎 公義