気になるランドセルブランド第1位!「土屋鞄」のランドセル工房に潜入してわかった人気の秘密
<工程5>まとめミシンで息を吹き込む
組み立てられたランドセルはそれで終わりではありません。仕上げのまとめミシンで最後にしっかりと強度を高めます。しかし、分厚い革をまとめて縫うので、技術、集中力、腕の力も必要です。この作業は限られた職人さんのみに託される重要な作業とのこと! 「プシュー!!」とミシンとは思えない高音を出しながら、分厚いランドセルを縫っていく職人さん。その眼差しは真剣そのもの。 「特殊なミシンで、針もものすごく太いものを使います。少し圧をかけることで、まっすぐに縫えるんですよ。ここで失敗すると、これまでの全員の作業が無駄になってしまうので特に緊張します」(まとめ班・樋口さん) そう、この縫い合わせがランドセルに息を吹き込むのです。 最後に肩ベルトをつけ、検品をして完成です。ひとつのランドセルが完成するまでになんと約300もの工程があるのだそう! 何人もの職人さんがバトンを渡し、途中何度も検品を重ねて、6年間ずっと愛してもらえるランドセルになることを思い描きながら作っていることがよくわかりました。
工房長に聞く「ランドセル作りのこだわり」とは
Qランドセル選びで重視するべき点はどんなことだと思いますか? 「職人目線で言いますと、背当てのクッション性や肩ベルトの強度でしょうか。土屋鞄のランドセルは、柔らかいクッションの上に硬めのクッションを重ねた二重構造の背当てにして、体当たりが優しく、ヘタりにくい仕様にしています。また、背中にフィットするような自然な凹凸もこだわりです。 肩ベルトは負荷のかかるバックルの部分などは太い糸で手縫いしています。こんなパーツひとつひとつの使用状況を考えた丁寧な作りは、職人の手が入っているランドセルの魅力だと思いますね」 Qランドセル作りでこだわっていることはどんなことですか? 「お子さん向けの製品ではありますが、その子にとっては初めて持つカバンですから、丁寧に、大切に作りたいという思いがあります。なのでミシン目ひとつ、貼り合わせひとつとっても大人の鞄と遜色ない作りを心掛けて日々作業しています。 土屋鞄が目指しているのは『品格のあるランドセル』です。品格を持たせるために、色やデザインはもちろん、作り手としてはミシン目のピッチ、曲がりやゆがみのない美しさには、強いこだわりとプライドを持っています。 また、6年間使った後に、弟妹の方やご親戚などが引き続き同じランドセルを使いたいというご要望も多く、「卒業後修理サービス」でメンテナンスをし、また新たな息吹を吹き込んで、さらに6年間使っていただく取り組みも行っています。『土屋鞄のランドセルはやっぱり丈夫だね』と言っていただける、しっかりとした作りにも自信を持っています」 工房で職人さんのひとつひとつの丁寧な技を拝見して、「品格のあるランドセル」という言葉が土屋鞄のランドセルのすべてを表現していると感じました。 次回はお店でランドセル選びについて教えていただく「店舗編」です。お楽しみに!