気になるランドセルブランド第1位!「土屋鞄」のランドセル工房に潜入してわかった人気の秘密
<工程2>限りある資源を無駄なく裁断
ランドセルに使うパーツの数をご存じですか? なんと150個以上です! 子どもの小さな背中におさまる小さなランドセルの中に、そんなにたくさんのパーツが使われているなんて驚きですよね。
そんなパーツをクッキーの型を抜くようにして切り出していきます。 専用の機械に型をのせた革を差し込み、ガチャンと裁断。その力、なんと約25トン! 「限りある資源です。できるだけ無駄が出ないように裁断します。一日中、集中し続けている状態ですね」(裁断班・下川床さん) と職人さんは笑顔を見せますが、ここで失敗したらランドセル作りが始まらないのかと思うと、こちらにも緊張が伝わってきます。
背当てのない状態に組みあがったランドセル本体(前胴)の周囲を、通称・腕ミシンと呼ばれる、立体を縫うための台座のないミシンで縫い上げていきます。 「1目のサイズはもちろん、目の数まですべて決まっています。糸の太さひとつとっても、使用する部位で微妙に変えているんです。そういったこだわりが、ランドセルの強度と品格を生んでいると思います」(前胴班・下田さん) また、その隣のミシンでは、ランドセルの内側を三つ折りレザーではさんでふちどりしていました。 「工程ごとに職人の担当を決めて作業しているので、次の工程がやりやすいように縫うのも大切です。製品が完成したら当然細かく検品をしますが、各工程が終わるごとにも不備がないかチェックをしてから次の工程に回しています」(前胴班・下田さん)
<工程4>立体的に組み立てる
できあがったパーツを立体的に組み立てていきます。革の状態によって、貼り合わせ方や力加減を調整し、工夫しながら作っていきます。 下の写真は、ぶつけやすいランドセルの角にもう一枚革をかぶせて補強する作業。中でも熟練の職人さんでも難しいとされている角処理の「菊寄せ」という技です。 あっという間に見事なギャザー寄っていくのは美しいの一言……! ここまで手作業なのは本当に丁寧だなと思います。 「ランドセルはお子さんが始めて持つカバンですから、丈夫で美しいものにしたいと思って作っています」(まとめ班・樋口さん)