「アンダーカバー」高橋盾が服を通して描く対立のない世界 4年半ぶりにパリメンズでショー開催
また、ジャケットやシャツには、スリットを作ったり袖を取り外したりするためのファスナーや、色が不揃いのボタン、小さなタッセル飾りなどでアクセントをプラス。モデルたちはゴールドのヘッドピースやレースのアイマスク、デコラティブなビーズネックレスを身につけており、ウィメンズライクな要素を取り入れている。ラストは、高橋デザイナーによる架空の生物が雲の上へと昇っていくグラフィックをのせたジャケットとスカートのセットアップで締めくくり、どこかミステリアスでファンタジーを感じる「アンダーカバー」らしい世界観を表現した。
「ウィメンズ寄りのメンズを作りたかった」
同ブランドが最後にパリでメンズショーを行ったのは、2020年1月のこと。その後、新型コロナウイルスのパンデミックを経て、22年9月からはパリでウィメンズのショーを行ってきた。この間メンズはルックブックや展示会をベースに発表してきたが、今回パリメンズでのショーに復帰したきっかけについて、高橋デザイナーは「ウィメンズ寄りのメンズ・コレクションを作りたかった。今はもうメンズとウィメンズの境目はなくなってきているので、それならしばらくやっていないメンズで見せようと考えた」と説明。今後は、当面ウィメンズでのショーを行わずにメンズでのショーを継続する計画だという。