劇団すがお、来月100回公演 桑名の歴史を題材に
【桑名】昭和36年に桑名高校演劇部のOBらによって創立され、三重県桑名市を拠点に活動を続けてきた「劇団すがお」の定期公演が100回に達する。その記念すべき公演「水郷燃ゆ―長島一向一揆の闘い」が11月2、3日、同市大山田の光精工コミュニティプラザで上演される。 戦国時代、織田信長と伊勢長島(現在の桑名市)の一向宗徒の間で起こった「長島一向一揆」を題材にしたオリジナルの作品で、同市の作家、国府正昭さん(67)が史実を基に書き下ろした。城に立てこもった男女2万人が焼き殺されたと伝わる桑名の歴史を、農民「弥市」の姿を通して描いている。 一般からも出演者を募集し、劇団員と公募で選ばれたキャストの22人が舞台に立つ。農民「熊」役を演じる会社員の坂口鮎実さん(41)=同市増田=は、子育てが一段落したこともあり応募した。舞台は演劇部に所属していた高校生以来といい、「みんなに助けてもらいながら稽古に取り組んでいて、久しぶりの緊張感を楽しんでいます」と笑顔で話す。 「水郷燃ゆ―」は劇団設立60周年記念公演として、当初は3年前に上演する予定だった。だが、新型コロナウイルスの影響で3度の延期を繰り返すこととなった。くしくも今年は長島一向一揆が収束して、450年の節目に当たるという。 劇団の加藤武夫代表(82)は「延期を繰り返した因縁の舞台で、なんとしても成功させたい。桑名であった悲劇の歴史を、多くの人に知ってほしい」と話していた。 上演時間は初日は午後6時半からで、2日目は午後1時半から。前売り大人2千円、中高生千円(当日はいずれも300円増しになる)、小学生以下は無料。前売りチケットは、光精工コミュニティプラザや柿安シティホールなどで販売中。電話予約もできる。問い合わせは加藤代表=電話090(8159)4497=へ。