社会人野球の日本選手権、JR九州のエース・鷲崎淳投手「どんどん勝負を仕掛けて日本一に導きたい」
社会人野球の日本選手権は29日~11月9日に大阪市の京セラドーム大阪で開かれる。2年ぶりに出場するJR九州で期待されるのがエースの鷲崎淳投手(26)だ。優勝した九州地区予選で最高殊勲選手賞に選ばれた左腕は「どんどん勝負を仕掛けて、チームを日本一に導きたい」と意気込む。 【イラスト】JR九州「キューポちゃん」は妖精、「ポイントがたまるように」と頭にがま口風のカチューシャ
九州地区予選では1回戦で2失点完投。準決勝では延長十回を完封勝ちし、連投となった決勝では八回からリリーフして2回を無失点で締めくくった。
佐賀県みやき町出身。長崎・創成館高から近畿大に進み、2年から投手に転向した。社会人になり、日本選手権は2022年に1回戦で先発したが、「ピンチで『負けたら終わりだ』と考えてしまった」と、余裕がなかった。2点本塁打を浴びて5回2失点で降板し、チームは敗退した。
この苦い経験を糧にした。練習試合を数多くこなすうちに「冷静さと大胆さの両方が身についてきた」。走者を背負っても「点を与えなければいいだけ」と思えるようになった。
技術的には、カットボールの精度を高めたことも大きい。右打者にとって外角からストライクゾーンに入ってくるボールは手ごわい。「打者をよく見て投げられるようになった」と中野滋樹監督も成長を認める。
たくましさを増したエースは、「緊張はない。また選手権で投げられることが楽しみ」と、全国舞台が待ち遠しそうだ。(古島弘章)