CTC社長が掲げる「これから注力する4つのテクノロジー」とは
「組織内で業務を自由に流れるようにすることが大事だ」 (Wrike CEOのThomas Scott氏) 米Wrikeの日本法人Wrike Japanは先頃、クラウド型ワークマネジメントプラットフォーム「Wrike」の機能強化と事業戦略について記者説明会を開いた。冒頭の発言は、この機に来日した米国本社の最高経営責任者(CEO)であるThomas Scott(トーマス・スコット)氏がその会見で、ワークマネジメントの勘所について述べたものである。 強化点としては、業務データとプロセス管理をWrike上で統合し、効率的なワークフローを実現できる「Datahub」機能を新たに加えた。以下では、Scott氏の冒頭の発言に注目したい。 米国シリコンバレーで2006年に設立されたWrikeは、もともとクラウド型のプロジェクト管理ツールとして注目されるようになり、その後、日々の細かなタスクも含めた業務管理や進捗(しんちょく)管理、さらにはAI機能も備えてワークマネジメントプラットフォームと呼ぶようになった。140カ国でビジネスを展開し、顧客社数はグローバルで2万社超、国内1900社超という。 Scott氏は、ワークマネジメントにおける問題提起として、「業務を、デジタル、部署、地理的な場所に基づいて仕切ることは不可能だ」と述べ、「組織内で業務(ワーク)を自由に流れる(フロー)ようにすることが大事だ」と指摘した。これは冒頭で紹介した発言だが、すなわち「ワークフロー」が自由に行き来することを意味している。 その上で同氏は、「Wrikeはあらゆるワークフローを企画から適応までの各ステージで強力にサポートする」とアピールした(図3)。 さらに、プラットフォームの中で全ステージに適用できる「Work Intelligence」では、図4に示したAIソリューションが利用できる。ご覧のように、「New」が3つ、「Coming soon」が1つと、拡充も現在進行中だ。 Scott氏に続いて説明に立ったWrike Japanカントリーマネージャーの泉谷浩成氏は、ユーザーがWrikeを活用して解決したい課題として、図5に示した6つを挙げた。 そして、泉谷氏は日本での事業展開における注力点として、「サポートの充実」「さらなる業務効率化の提案とプラットフォームの強化」「再販チャネルの拡大」の3つを挙げた。 なお、Wrikeは2021年1月にCitrix Systemsに買収されて同社の傘下に入ったが、その後、再び分離した経緯があったようなので、会見の質疑応答で確認したところ、Scott氏は「2022年9月にCitrixから分離し、2023年7月からは(プライベートエクイティファンドの)Symphony Technology Groupの投資を得て、分離以降、独立した会社として事業の成長に取り組んでいる」と説明した。2023年7月はScott氏がCEOに就任したタイミングでもある。 筆者の見立てでは、Wrikeは有望な市場に対して評判の良いツールを提供しているので、またビッグテック企業が買収に乗り出すような動きがあるかもしれないが、潜在力からするともっと注目される存在になれるはずだ。その意味でも引き続き注視していきたい。