作家・新川帆立さんインタビュー!「仕事も結婚も諦めない主人公の物語」【着回しDiary】|CLASSY.
\実は…新川さんも教授役で登場!/
――新川さんはパートナーと事実婚をされているそうですが、そのお話を伺えますか。 夫とは大学時代からの友人で、大学も院も就職先も同じなんです。ずっと同棲していたのですが、夫がお互いの関係を“同棲している恋人”ではなく、オフィシャルなものにしたいと。それで結婚を考えました。 ただそこでひとつ問題が…夫の苗字と私の名前の組合せがすごく悪くて(笑)。自分の小説の主人公には絶対につけない名前だなと思い、その姓になったら自分の人生の主人公を降りちゃう気がしたんです。また、夫も弁護士なので法律の知識があったことも大きいです。結婚というのは“法律上の制度のお得なパッケージ”みたいなものだから、それを自分たちならカスタマイズできると思いました。 女性も仕事を続けたり、お財布も別なら事実婚はデメリットが少ないと思います。結婚制度のメリットの多くは金銭面であって、専業主婦という選択をするならすごくメリットがあります。夫がいてよかったなと感じるのは、仕事などで気持ちの浮き沈みがある時も常に肯定してくれる存在がいるということ。特にコロナ禍では、夫のいるありがたみを感じました。自由に外出できない時も愚痴り合えたり、二人で感染対策を工夫したり、体調が悪い時は助け合ったり…ウイルスという見えない敵と戦っているような日々だったので、戦友みたいな絆ができました(笑)。 ――働く女性にとって結婚のメリットが問われる時代。今後、「結婚」はどんな存在になると思いますか? これは私の個人的な話なのですが…結婚して楽になったことがひとつあります。それは好きなファッションを楽しめるようになったこと。当時は気がつかなかったのですが、独身の時は「とりあえずワンピースやスカートを着ておこう」というふうに男性ウケファッションを意識していたんです。 それが結婚後は、いい意味で世間を気にしないようになり、カジュアルなファッションやヘアメークを堂々とできるようになって。オシャレに対する気持ちがすごく楽になりました。だからひとつの考えとして、結婚は「安心して本当の自分で過ごせる状態に持っていける装置」として捉えるといいんじゃないかなと。 私自身も、結婚によってキャリアが断絶したり、奥さんという役割を得ることで、漠然と自分が自分じゃなくなっちゃうような恐怖心を抱いていました。でも今振り返ると、独身の時は頑張りすぎていたり肩肘張っていたなと思うことも。私は結婚を選択した今のほうが、何も考えていなかった無邪気な子どもの頃に近いような…素の自分で楽しく過ごせています。自立している女性が増え、結婚しなくても幸せになれる時代。それでも結婚のいいところを私が挙げるとしたら――生活面というより“心の面”での安心、それが一番かもしれません。 作/新川帆立 撮影/北岡稔章(えるマネージメント)〈人物〉、清藤直樹〈静物〉 モデル/山本美月、前田拳太郎 ヘアメーク/室橋佑紀(ROI)〈女性分〉、佐藤 建行(HAPP’S.)〈男性分〉 スタイリング/児嶋里美〈女性分〉、中西ナオ〈男性分〉 コーディネート/佐藤かな子 編集/月田彩子 撮影協力/AWABEES、EASE、PROPS NOW 再構成/Bravoworks,Inc. ※CLASSY.2024年10月号「季節と二人をつなぐ9月の着回しDiary」より。 ※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。
【関連記事】
- ▶︎【作家・新川帆立×着回しダイアリー】CLASSY.10月号の着回しにプロの作家が参戦!?
- ▶︎【作家・新川帆立さん書下ろし】季節と二人をつなぐ今月の「着回しDiary」ワードローブ紹介
- ▶︎【10月着回しDiary上旬まとめ編】作家・新川帆立さん書下ろし!天文学者・みづきの婚約者はかぐや姫ならぬかぐや王子だった?季節の変化と人生の節目に対応するコーデで送る
- ▶︎【10月着回しDiary中旬まとめ編】作家・新川帆立さん書下ろし!天文学者・みづきの婚約者はかぐや姫ならぬかぐや王子だった?季節の変化と人生の節目に対応するコーデで送る
- ▶︎【10月着回しDiary下旬まとめ編】作家・新川帆立さん書下ろし!天文学者・みづきの婚約者はかぐや姫ならぬかぐや王子だった?季節の変化と人生の節目に対応するコーデで送る