山崎伊織が今季初被弾も仲間の胸にも届く熱投7回2/3、111球…3戦連続HQSの右腕は「次も頑張ります」
◆JERA セ・リーグ 巨人1―1中日=延長12回=(21日・東京ドーム) 巨人は中日と引き分けた。7回に1点を先制されたが、その裏に吉川の同点犠飛。先発の山崎伊織投手(25)は8回途中1失点で、救援陣は無失点リレー。1点にこだわるタクトで今季4度目のドローに持ち込んだ。 * * * * * 嫌な角度で上がった打球が左翼席に飛び込むと、山崎伊はうなだれた。0―0の7回1死。田中にカットボールを左翼席ぎりぎりに運ばれた。均衡を破るプロ1号の先制ソロが今季初被弾だった。7回2/3、111球を投げ、5安打1失点。5勝目はつかめなかったが、今季4度目、3試合連続のハイクオリティースタート(HQS=7回以上自責2以下)を達成。それでも「本塁打は失投だったので、忘れずに今シーズン投げていきたい」と反省した。 味方の援護を信じて踏ん張った。6回まで粘って無失点。「先頭を出したのは1回だけだったので、しっかり抑えられてよかった」と、自身に課していた課題はクリアした。被弾後も8回に最速149キロを計測。2死から2者連続四球を与えたところで降板し、東京Dのファンから温かい拍手を受けた。 背番号19の熱投は仲間の胸に届いている。チームは広島に敵地で同一カード3連敗を喫したばかり。「悔しい思いを全員がしている。いいスタートを切れる投球をしたい」。先発の柱として、巨人を背負う強い思いが投球にあふれていた。7日の中日戦では完封勝利。「登板前に内海さんから『9回投げてくれよ!』って言われていた。投げ終わって『ほんまに投げると思わんかったわ!』って言われたけどな」と笑って振り返るが、それだけ今季は責任感が強まっている。「次も頑張ります」とシンプルな言葉に力を込めた。苦しいときこそ力を発揮する男になっていく。(水上 智恵)
報知新聞社