東京の出生率は0.99なのに…出生率「2」を誇る奇跡の町「岡山県・奈義町」…その納得の訳とは
「子どもが3人以上いる家庭は珍しくありません」
「うちの町では子どもが3人以上いる家庭は珍しくありません。子育て世帯の約半数が子ども3人以上の多子世帯です」 【画像】難産告白の河北麻友子「少しずつ復帰していきたい」…”ママ”オーラ全開姿 東京都の出生率が1を割るというショッキングな報告がされたなか、こんなことを言うのは、岡山県奈義町情報企画課の小坂参事。 奈義町では’19年に合計特殊出生率2.95を記録し、その後’20年は2.21と下がったものの、’21年は2.68、’22年(※)2.68、’23年(※)2.21と、つねに2以上をキープ。“奇跡の町”ともいわれている。(※’町試算値) 高い出生率を支えているのは、さまざまな子育て支援策だ。 現在、奈義町では下記のような支援策を実施している。 【在宅育児支援手当】 満7ヵ月児から満4歳(満4歳になった後の最初の3月31日まで)児童で、こども園等に入園していない児童を養育している方に、児童一人につき月額1万5000円を支給 【高等学校等就学支援】 生徒一人に年額24万円を3年を限度として支給 【医療費を高校生まで無料化】 18歳まで、医療機関等での自己負担分を奈義町が負担 【出産祝い金交付】 子ども誕生に際して、一律10万円を交付 【園小中の給食費無償化、小中の教材費無償化】 こども園、小学校、中学校で提供する給食費の無償化。小学校、中学校の教育教材費の無償化 高等学校等就学支援では一人に年24万円! かなり高額に思えるが、 「奈義町には高校がなく、電車も通っていないので、高校生はバス通学になります。隣市の高校に通おうと思ったら、月2万5000円ほどの定期代がかかる。交通費を含めた高等学校等の学資にかかる経済的な負担を軽減しようということです」 こうした手厚い支援策を実施するきっかけになったのは、’02年、合併の意志を問う住民投票を行い、単独町政を選んだことにある。 「単独町政を維持していくために重要なのは、若い世代に残ってもらって、今の人口水準を維持していくこと。そのためには子育て支援策が必要だろうということになりました」 支援策の財源を確保するために、議会の議員定数を14から10に減らす、各種委員会の委員報酬を減らす、公共事業の見直しなどによって確保した。 ◆経済的支援だけでは子どもは増えない… 「けれど、経済的支援は、さまざまな自治体で行われています。経済的支援だけでは出生率を上げることはできない。そこで、安心して子育てができるようなメンタル的な支援も同時に進めました」 その一つが「なぎチャイルドホーム」だ。子育てアドバイザーが常駐し、子育て中の母親や、子育てが一段落した人も参加。