東京の出生率は0.99なのに…出生率「2」を誇る奇跡の町「岡山県・奈義町」…その納得の訳とは
「病院に行く間、下の子を預かってほしい」「買い物に行く間だけ子どもを預かってほしい」など、一時的に子どもを預かってほしいときは、チャイルドホームや援助会員の自宅で預かってもらう一時保育「すまいる」という制度もある。専門スタッフだけに任せず、住民参加型で子育てをサポートしていくというのが、奈義町の支援策の特徴だ。 このほかに子どもが生まれたら、保健師や地域の愛育委員が全戸訪問したり、産後うつ予防のための効果を期待して、大阪大学との連携事業として「生誕1000日見守り研究」を実施。助産師による出張母乳相談や心理士による産前産後のカウンセリングの導入など、まさに至れり尽くせり。 ◆“仕事も、子どもも”が実現 これですべてハッピーかというと、課題はあると小坂参事は言う。 「大学進学や就職を機に町を離れる若い人が多い。実際、町の人口は年々微減しています。これからの課題は社会増減対策です。現在の子育て支援を継続、推進し、同時に町外にもアピールできる魅力ある町づくりを行い、移住者も増やしていきたいと思います」 さらに充実した子育て支援の一つに、今年度から、こども園の3歳児、4歳児、5歳児のクラスと、小学1~6年、中学1~3年の学年ごとにALT(外国語指導助手)を一人配置していることもある。 「地方でも英語教育や、先端の教育を受けられるようになるのも町の魅力になるのではないかと思います」 安心して子育てができるためか、最近は共働き世帯も増えているという。 「都市部と同じように、奈義町においても保育の需要は年々高まっています。この4月には、保育園1園と幼稚園2園を統合、定員250名の『こども園』を開設し、就学前の保育、幼児教育の需要に対応しております」 つまり、働きながらでも3人、4人の子どもをもつ家庭が増えてきたのだ。奈義町で暮らせば、“子どもか、仕事か”で悩む必要がない。“子どもも、仕事も”が実現できるのが奈義町なのだ。 取材・文:中川いづみ
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