「人生のクラブを離れるんだ。難しいに決まっている」 ビジャレアルの“伝説”マヌ・トリゲロスの愛惜
8日、MFマヌ・トリゲロスがビジャレアルを退団し、グラナダへと加入することが発表された。 【伝説】マヌ・トリゲロスがビジャレアル退団 『477』の公式戦通算出場数、ヨーロッパリーグ初優勝、ワン・クラブ・マン…ビジャレアルに多くの足跡を残した“14番”は今夏、14年間過ごしたクラブを出発する。1991年10月17日生まれのマヌ・トリゲロスは現在32歳。2010年夏にムルシアのカンテラからビジャレアルのカンテラに移った後、2012年夏にトップチームデビュー。以降はイエローサブマリン一筋でプレーし、気つけばサンティ・カソルラ(通算330試合)、マルコス・セナ(通算361試合)、マリオ・ガスパール(通算423試合)、そしてブルーノ・ソリアーノ(通算425試合)を上回り、クラブ歴代1位となる公式戦出場記録保持者となった。 2021年4月のEL・アーセナル戦でのゴールや、スペイン紙『アス』に「天然のキャビアのようだ」と形容された2022年3月のラ・リーガ・セルタ戦でのアシストなど、数多くの印象的なプレーを見せてきたトリゲロス。ラ・リーガにおいてナンバーワンと言っても過言ではないテクニックと創造性に加え、パンチ力のあるキックを兼ね備えたクラックとして、観客を魅了し敵の度肝を抜いてきたわけだが、強度がより求められるようになってきた直近2シーズンは、ベンチを温める機会が増加。昨シーズンに至っては、公式戦20試合・プレータイム計855分間にとどまっていた。 ビジャレアルを退団することと、グラナダと2年契約を締結したことが8日に発表された中、翌9日にトリゲロスがメディアの前に登場。まずは、愛するクラブとの別れについて「ビジャレアルを去るのはとても難しいことだった。ここ数日で経験したすべてがとても感動的で、忘れられない瞬間になったよ」と告白。続けて「18歳から32歳まで過ごした人生のクラブを離れるんだ。難しいに決まっている。ただ、人生が自分自身に突きつけたこの挑戦を、家族と僕は熱意を持って受け止めているのも確か。ビジャレアルの外での経験を楽しみにしている」と胸中を明かした。 新天地のグラナダは、同じくフットボーラーだった実父が在籍したクラブでもある。同選手は「僕の父は、いつもグラナダの素晴らしさを教えてくれた。母も同じで、ここでの思い出を大切にしている。この街、街の雰囲気、街並み、そしてフットボールをとても楽しんでいたね。だから、グラナダに移籍する可能性を伝えた時、彼らは喜んでくれたし、僕と同じぐらいの情熱を感じた」としつつ、「ここに来られてとても嬉しいし、昇格というチームの目標達成に貢献したい」と決意を語っている。 ビジャレアルの“伝説”が、縁のある街で新章を始める。シニアレベルでは自身初の移籍となるが、ロマン溢れるプレーで、グラナダの人々も魅了するに違いない。
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