「解熱剤は飲まないほうがいい?」「咳止めが効くというエビデンスはない」…小児クリニックの医師が語る「風邪薬」の意外な真実!
同じ話を厭わない
ここまで長々と書いたが、実はぼくはこういう話を長々と患者家族にする。こういう話こそが治療と思っているので。薬の効果の限界も説明するし、休むことがどれだけ重要か説明する。特に、人生で初めて風邪に罹った子の家族にはそういう説明をする。薬をドサッと出して、「はい、おしまい」じゃあ、あんまりでしょ? こうした長い話をした後に、次の患者も人生初めての風邪だったりする。そういう時に、医者は厭わずに同じ話をしなければいけない。それが職業倫理だろう。これは医者に限らずどんな職業でも同じだと思う。 毎日何十人も風邪の子を診察しながら、「この子は肺炎じゃないよね、風邪だよね」と心の中で確認しながら診療しているのが開業医のリアルである。 ・・・・・ つづく記事『「なぜ抗生剤を出してくれないのか!」発熱した子どもを連れてきた母親がクレーム…小児クリニック医師が開業して「もっとも驚いたこと」』では、医療の現場で起きている“まさかの実態”について、紹介します。
松永 正訓(小児外科医)