【オーストラリア】三井住友信託、脱炭素技術MCiに出資
三井住友信託銀行は13日までに、オーストラリアの二酸化炭素(CO2)回収・利用(CCU)技術開発企業MCiカーボンに出資したと発表した。出資額、出資比率は非公開。MCiはCO2排出量よりもCO2吸収・固定化量が多い「カーボンネガティブ」のコンクリートの材料となる炭酸塩を製造しており、今回調達した資金で商業生産を見据えた量産化プラントの建設を進める。【NNAオーストラリア編集部】 三井住友信託銀行の広報担当者はNNAオーストラリアに対し、「社会課題解決に資する取り組みを資金面からサポートするため、2022年4月からインパクトエクイティ投資を実施している。課題の中でも脱炭素は重要な分野の一つで、MCiはこの分野で高い技術を持つ点が判断のポイントとなった」と話した。 MCiカーボンにはこれまでに、伊藤忠商事とみずほ銀行も出資している。 MCiは、製鉄工程で生じる副産物(スラグ)や、自然界に存在する鉱石、その他カルシウムやマグネシウムを含むさまざまな物質にCO2を半永久的に固定化させ、炭酸カルシウムや炭酸マグネシウムなどの炭酸塩を製造する技術を持つ。 同技術は、CO2削減が困難な「Hard to abate」分野である鉄鋼・セメント業界でCO2の回収・固定化を実現し、同時に経済性の確保が可能な脱炭素分野のソリューションとして期待されている。 MCiは、ニューサウスウェールズ州ニューカッスルで実証プラント「マートル(Myrtle)」を建設中。地場化学大手オリカの製造拠点の敷地内にあり、同社の事業から排出されるCO2の供給を受ける。プラントは1,000トン以上のCO2を回収・固定する能力を持つ見通し。