オリックス・中嶋監督、辞任 球団は3連覇手腕評価、続投要請も…「責任はしっかり取りたい」 後任は小林2軍監督、田口コーチら候補
(パ・リーグ、楽天1-8オリックス=七回表1死降雨コールド、25回戦、オリックス15勝10敗、6日、楽天モバ)衝撃の辞任劇だった。今季最終戦となった楽天戦を七回降雨コールド勝ちで締めると、中嶋監督は宮城ら選手に声をかけ、労をねぎらった。仙台市内の宿舎に帰って、緊急ミーティングを開催。選手たちにユニホームを脱ぐことを伝えた。 【写真】ボールが直撃した白井球審の腰を叩いてあげるオリックス・中嶋聡監督 「僕は『責任』っていう言葉をよく使っていたんですけど、こっちに責任がある、と。『思い切ってやってくれ』ということをよく言っていたんで、それを考えたら、やっぱり優勝したチームがここまで落ちるっていうことに関しての責任はしっかり取りたい。今年で辞任します」 2020年の監督代行を経て、21年から指揮官に就任。昨季まで、球団では1975年から4連覇を成し遂げた阪急以来となる3連覇を達成した。単年契約だった今季は大黒柱だった山本がポスティングシステムを利用し、米大リーグ、ドジャースに移籍。平野佳、東ら主力投手が故障し、野手では昨季首位打者の頓宮をはじめ、杉本、宗らの状態が上がらなかったが、辞任の理由となったのは全力疾走しない選手たちの姿であり、それが「慣れ」だと感じた。 「一つの時代って言ったらおかしいですけど、選手が変わっているわけじゃない。やっぱり何かが足りないという時に、新しいことを始める時にやっぱり新しい人がやるべきだと思いますし。今まで通りにやったとしても、人って慣れるじゃないですか。その慣れという部分の方が今年は本当により多く、より強く出てしまったのかな」 球団からは続投要請されていた。福良GMは「球団としては幾度も対話を重ね、慰留に努めました」とコメントを発表。それでも中嶋監督は「『5年ないし7年で(監督が)代わるのが一番じゃないの?』っていうことをよく聞いたことある」と心のハリが動くことはなかった。 後任には小林宏2軍監督(53)や、田口壮外野守備・走塁コーチ(55)らの内部昇格が候補になるが、球団は幅広く人選し、最善の選択をする見通し。阪神は岡田監督の退任が決定し、藤川SAの就任が内定している。昨季日本シリーズを戦った関西2球団が新しい時代を迎える。 ■中嶋 聡(なかじま・さとし)
1969(昭和44)年3月27日生まれ、55歳。秋田県出身。鷹巣農林高から87年D3位で阪急入団。強肩の捕手として西武、横浜、日本ハムでもプレーし、2015年限りで現役引退。通算1550試合出場で打率・232(804安打)、55本塁打、349打点。引退後は日本ハムで1軍バッテリー兼作戦コーチなどを務め、19年からオリックス2軍監督。20年8月から1軍監督代行となり、21年から1軍監督で3連覇。22年に正力松太郎賞を受賞。182センチ、84キロ。右投げ右打ち。背番号「78」