白髪は「抜くと増える」は本当? 白髪との付き合い方と白髪染めの注意点を専門医に聞く
■染毛剤の特徴を理解し、自分に合ったものを選ぶ ――さまざまな種類のヘアカラー(染毛剤)が市販されていますが、違いがよくわかりません。繰り返しずっと使い続けていくものなので、頭皮へのダメージも心配です。 白髪を染めるのに使われる染毛剤は、大きく「永久染毛剤(医薬部外品)」「半永久染毛料(化粧品)」「一時染毛料(化粧品)」があります。 ●永久染毛剤=白髪染め、おしゃれ染めなど 髪の色を抜き内部まで染毛成分を浸透させてしっかり色をつけるため、色落ちが少なく、色が長く持続します。 染毛力は優れているものの、染毛後は髪が傷みやすく、かぶれなどの皮膚トラブルを起こしやすい。 なお、白髪染めとおしゃれ染め(黒髪用ファッションカラー)は、髪を脱色してから染色するという基本的なメカニズムは同じです。主な違いは、脱色と染毛のバランス。おしゃれ染めは黒髪を明るい色に染められるように配合されていますが、白髪染めは混在する黒髪と白髪の色味を合わせるような色作りになっています。 ●半永久染毛料=ヘアマニキュア、カラーシャンプー、カラートリートメントなど ヘアマニキュアは、1回の使用で色素が髪の内部まで浸透して染毛します。カラーリンス、カラーシャンプーやトリートメントは、使用し続けることで髪の表層部に徐々に色素が浸透し、髪を染めていきます。永久染毛剤に比べると染毛力は弱く、色持ちも悪く、雨や汗で色落ちすることもあります。 一方、繰り返し染めても髪はほとんど傷みません。また、アレルギーを引き起こしにくいため、永久染毛剤が使えない人でも使うことができます。 ●一時染毛料=ヘアマスカラやヘアスプレーなど 着色剤を毛髪の表面に付着させて一時的に色をつけるもので、白髪が部分的に気になるときなどに手早く染めることができます。1回のシャンプーで洗い落とすことができるものが多く、髪が傷むことはなく、かぶれることもほとんどありません。 白髪を染める場合は、一度でしっかり色がつき、色持ちもいい永久染毛剤が広く使われています。一時染毛料や半永久染毛料に比べると頭皮へのダメージはありますが、一般的な肌質の人が使用方法を守って使うぶんにはあまり心配する必要はありません。 もともと皮膚が弱い人やかぶれやすい人は皮膚科医や薬剤師に相談し、自分に合った染毛剤を選ぶようにしてください。