尾上菊之助、25年の八代目菊五郎襲名へ抱負「年男ですので大きく脱皮できるように」
歌舞伎俳優、尾上菊之助(47)が9日、東京都内で行われた国立劇場初春歌舞伎公演「彦山権現誓助剣」(来年1月5日~27日、東京・新国立劇場中劇場)の取材会に父で人間国宝の尾上菊五郎(82)、坂東彦三郎(48)、中村時蔵(37)と出席した。 同作の「毛谷村」は度々上演される人気演目だが、通しで上演されるのは東京では約22年ぶり、あだ討ちの完結まで見せるのは58年ぶり。心優しく武術に優れた青年・毛谷村六助を初役で勤める菊之助は「今年は『不適切にもほどがある!』という言葉がはやりましたが、〝いい人すぎるにもほどがある〟というような感じで演じたい」と流行語大賞の「ふてほど」を引き合いに笑いを誘った。 来年5月に八代目尾上菊五郎の襲名を控えており、現在の名跡で国立劇場主催公演に立つのは今回が最後。「(巳年の)来年は年男ですので、蛇ではないですけど大きく脱皮できるように華やかに勤めたい」と熱演を約束した。 また、昨年10月に老朽化で閉場した国立劇場の再整備事業の入札不調問題に言及。いまだに建て替えのめどが立っていないことに「国立劇場の前を通りかかると『早くここで芝居したいな』と思う。とにかく私たちは待つ身でございますけど、声を上げてなるべく早く国立劇場の舞台に立てるように働きかけていきたい」と吐露。菊五郎も「建て替えの委員をやらせていただいていますけど、こう延び延びになると…。耐震工事だけやればもっと使えるんじゃないか」と話した。