パリ五輪でゴベアが地元フランスの旗手候補に!「もちろん志願したい。この上ない名誉だ」と大役に意欲<DUNKSHOOT>
ゴベアはつい先日、『Player’s Tribune』に寄せた手記の中で、辛かった幼少期の思い出を赤裸々に告白している。 ゴベアの父、ルディ・ブールガレルは、フランスの海外県であるカリブ海のグアドループ出身で、80年代にフランスに渡り、プロのバスケットボール選手となりフランス代表も経験している。しかしゴベアが幼い頃に両親は別れ、ゴベアは母のもとで育った。“ゴベア”というのは母方の性だ。 母には前夫との間に2人の子どもがいたが、母は、一家が一同に集うクリスマスの際に、「ルディを連れてくるならお前は来るな」と親戚家族から言われていたのだという。理由は、ルディの肌の色が皆と違うからだ。 母は「そんなことを言う人たちはこちらから願い下げ」と突っぱねて、ルディを守った。 そしてそんな母の姿を見て育ったルディは、とにかく何らかの形で将来必ず成功するという“鉄の意志”を持ち続けていた。 その後バスケを始め、13歳で親元を離れ、国立養成所のセレクションに落選するなど挫折を経験しながらも、NBAのドラフト候補に成長。初めて自分の名前、そして母の性である「ゴベア」が載ったモックドラフト(指名予想)を母に見せたことは、忘れられない思い出だという。 その彼が、今ではフランス代表になくてはならない主力選手となり、オリンピック選手団の、しかも自国開催という特別な場で、旗手の候補に挙がるまでになった。その大役を務めることに、彼が強い思いを抱いていることは容易に想像できる。 東京五輪の競泳50m自由形での銀メダルをはじめ、これまで4つのメダル(金1、銀3)を手にしているフローラン・マナドゥなど、ほかにも有力な候補がいるなか、7月中旬の正式発表で、はたしてルディ・ゴベアがその栄誉にあずかることになるのか。ウルブズのプレーオフでの戦いと合わせて見守りたい。 文●小川由紀子
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