ボンゴフレンディの衝撃ももう30年前! 日本車では絶滅したメーカー謹製「ポップアップルーフ」は海外じゃまだまだ元気だった
かつては日本でも流行したポップアップルーフ装備車
1995年にマツダ・ボンゴフレンディが登場した際。まだ若者だった筆者は、テレビCMでその「オートフリートップ」を見て衝撃を受けた。「……これだ。オレが買うべきクルマはこれしかない!」と、当時まだ自家用車を持っていなかった筆者はブラウン管(←死語)に向かって叫んだのだった。 【写真】時代はルーフの上で寝る! 「オーバーランド」ってなんだ? ご承知のとおり、マツダ・ボンゴフレンディが採用したオートフリートップとは、要するにポップアップルーフというやつで、つまりは「クルマの屋根に取り付けられるテント」である。運転中や駐車中はテント(ポップアップルーフ)を収納してコンパクトな状態にしておくが、キャンプ場などの屋外で“自然”を感じながら休みたいとき、おもむろにポップアップルーフを展開するのだ。 そして、テレビCMで初めて見たボンゴフレンディのオートフリートップなる電動ポップアップルーフは、男子の永遠の憧れである「ツリーハウス」を私に連想させた。それゆえ、とくにキャンプをする予定もないくせに「……オレが買うべきクルマはこれしかない!」と叫んでしまったわけだ。 その後は、1996年にスバルからサンバーディアスをベースとする「スバル・ドミンゴ アラジン」なる純正ポップアップルーフ車が登場。 そして同じく、1996年にはホンダからも「オデッセイ フィールドデッキ」という、初代オデッセイにポップアップルーフを純正装着したモデルが登場。さらに1998年、またもやホンダは初代ステップワゴンにポップアップルーフを取り付けた「ステップワゴン フィールドデッキ」を発売した。 ステップワゴン フィールドデッキの登場により、日本の純正ポップアップルーフ車は隆盛をきわめた――かにも見えたが、その後にブームは失速。各メーカーはポップアップルーフ車をラインアップしないようになり、現在ではさまざまなキャンピングカー専門業者が独自に改造した「非純正のポップアップルーフ車」が、それなりに流行っているのみという状況だ。