スペイン水害死者200人超、視察の国王夫妻に住民が泥投げつけ
[パイポルタ(スペイン) 3日 ロイター] - 豪雨により甚大な被害が出たスペイン東部バレンシア州で3日、現地を視察した国王夫妻に住民数百人が抗議し泥を投げつけるなどした。 被害が深刻なパイポルタの住民は「人殺し」などと叫び、豪雨を受けた当局の警報や情報提供、災害対応の遅さへの憤りを国王夫妻らにぶつけた。国王フィリペ6世とレティシア王妃は泥で顔や服が汚れたが、その場にとどまり、住民から話を聞き、慰めの声をかけた。夫妻に同行したサンチェス首相はすぐに引き揚げた。 今回の水害に死者は3日時点で217人となり、欧州ではポルトガルで少なくとも約500人が死亡した1967年以来、一国の水害としては最も深刻なものとなった。今も数十人が行方不明で約3000世帯が停電している。 中央政府は、災害警報を出す権限は地方政府にあるとしている。バレンシア当局は、入手可能な情報をもとにできる限りの対応をしたと説明している。 サンチェス首相は2日、今回の対応に問題がないか調査すると述べた。