「あなたは腐ったミカンなんだよ」 追手門学院パワハラ退職強要訴訟で和解成立、原告3人に謝罪と解決金9200万円支払い
学校法人追手門学院(大阪府茨木市)が実施した「研修」で、パワハラによる退職強要を受けたとして、職員3人が法人などに計3600万円の損害賠償などを求めた裁判が11月6日に終結した。 この日、大阪地方裁判所で開かれた弁論準備手続で和解が成立。追手門学院側が謝罪するとともに、原告3人に計約9200万円の解決金が支払われることになった。 和解成立後に原告3人と代理人らが大阪市内で記者会見を開いた。3人は「研修」の場で人格否定の言葉を浴びせられ、その後も執拗な退職強要を受けたことで精神疾患を発病し、今も通院している。 3人は「こういうことは追手門学院ではもちろん、世の中でも2度と起こらないようにしてほしい」とうったえた。(ジャーナリスト・田中圭太郎)
●執拗な退職強要を受けて精神疾患を発病したとして提訴していた
「この裁判は、自分たちがハラスメントを受けたことに対する損害賠償や、職場に戻してもらうための地位確認を求めていましたが、それだけではありません。自分たちが泣き寝入りすると被害者が他の学校にも増えていくだろうと思い、それは絶対にあってはならないと考えて裁判を起こしました」 和解を受けて思いを吐露したのは、2016年8月当時に追手門学院大学や中学・高校で勤務していた職員3人。 追手門学院とコンサルタント会社「ブレインアカデミー」が実施した研修などによって、執拗な退職強要を受けた結果、精神疾患を発病して休職に追い込まれたとして、法人と川原俊明前理事長、ブレインアカデミー、それに研修の講師をつとめていた男性を相手取り、損害賠償などを求めて2020年8月に提訴していた。 大阪地裁で11月6日に開かれた弁論準備手続で、この裁判の和解が成立した。和解条項には追手門学院が3人に謝罪すること、今後教職員に退職勧奨を含む不相当な言動をしないこと、それに3人に計約9200万円の解決金を支払うことなどが盛り込まれた。職員側の勝利的和解と言える内容だった。 3人は退職強要によって精神疾患を発病したことが労災認定されている。和解を受けて、50代の職員1人は復職し、別の50代と40代の2人は和解の日をもって退職することを決めた。