アフガンのタリバン政権、COP29に代表団派遣へ 復権以来初
アフガニスタンを支配するイスラム主義組織タリバンの暫定政権は10日、アゼルバイジャンの首都バクーで11~22日にある国連気候変動枠組み条約第29回締約国会議(COP29)に代表団を送ると発表した。2021年8月のタリバン復権以降で、アフガン代表団のCOP参加は初となる。 険しい山岳地帯を擁する内陸国のアフガンは、気候変動の影響を最も受けやすい国の一つとされる。このため、タリバンはCOP参加を繰り返し求めていた。しかし、その政権を正式承認した国がないことなどから、これまでは受け入れが見送られてきた。 ロイター通信によると、今年のCOP議長国のアゼルバイジャンは、タリバンをオブザーバーとして招いた。外交筋はロイターに対し、「周辺的な議論や2国間会談への参加」が可能になると説明している。 アフガンは近年、気候変動の影響による深刻な干ばつや洪水に見舞われてきた。国連世界食糧計画(WFP)によると、今年3~5月の長雨では全土が洪水の被害を受け、少なくとも540人が死傷した。 COPでアフガン代表団を率いる環境保護局のカリス長官は「気候変動について各国と問題を共有したい」とする声明を発表した。 タリバン暫定政権は、女性に対する学校教育を制限していることなどから国際的な批判を集めている。それでも、6~7月、アフガン情勢について各国の政府代表が協議する国連主催の会議に初参加するなど、国際社会との関わりへの積極姿勢を見せている。【ニューデリー川上珠実】