ホットロッド御用達モデル「シボレー カマロ ファイナルエディション」に試乗!
シボレーの2ドアクーペ、カマロがこのファイナルエディションをもって生産中止になる。復活はすでに予言されていて、おそらくEVとなってシボレーのラインアップに加わると思うけど、ため息が出たよね。生産中止はこれで二度目だし、進化し続ける一家の長男、コルベットの手のかけられ方とは雲泥の差(笑) 【写真】大排気量エンジンの2ドアクーペとしても最高、シボレーの2ドアクーペ、カマロがこのファイナルエディション
1967年にフォード・マスタングの対抗馬として販売され、4代にわたるロングモデルとなるも2002年に生産中止。2009年には、原点回帰のデザインで輝かしい復活を果たしたマスタングに対抗して、こちらも初代を思わせるレトロな顔つきで市場に戻ってきた。映画『トランスフォーマー』のバンブルビーとなり一躍子どもの人気を博した時期もあったけど、根底に流れる血はヴィラン(悪役)であり、そのキャラクターがホットロッド・コミュニティに愛される理由でもある。そう、「食われるより食ってしまえ」の精神ですよ。 とはいえ、このファイナルエディションとなる第6世代カマロは、ホットロッド・カルチャーの遺産を受け継ぐ歴代最高傑作なのね。まず走る、曲がる、止まるという基本性能がしっかりしている上に乗り心地も素晴らしい。なによりホットロッド視点でいくと、現行カマロ以上にマナーに則ったモデルはないはず。 例えば、チョップドルーフよろしく視界の狭いフロントウィンドウは、前方の一点を見つめるためだけにあれば良い、とかね。座ればまるで走る棺桶、もといバスタブですよ(笑)。最高にクールだね。
代名詞でもある巨大なドアを開ければ、ペダル類のある足元がえぐられるように凹んでいて、めいっぱい足を伸ばしたまま着座できる。ハンドルを伸ばすと、理想のクルージングポジションが完成。30年以上前のカマロへ乗り換えたのかと錯覚するぐらい、感覚が一緒なんだ。 エンジンをかければ6.2リッターのV8 OHVエンジンが目を覚ますんだけど、かつてのようにデロデロとは鳴らず、時折思いついたようにデロっとくる。そういう演出なのに大排気量エンジンの存在感がより際立っていて、押さえるところを押さえた“わかってる感”がハンパない。