久保獲得の裏にあった元韓国代表イ・チョンスの大失敗。ソシエダSDが学んだ“補強の流儀”。「接触プレーを避け、当たりに行けと言ったら骨折した」【現地発】
「以前は日本人選手に対する固定観念や先入観のようなものがあった」
インタビューの中で、久保建英が所属するレアル・ソシエダのスポーツディレクター、ロべルト・オラベは日本フットボールの成長と日本人選手の市場価値の上昇について言及した。 【PHOTO】華やかコスチュームでエールを送る韓国女子サポを特集! ドイツやスペインといった強豪国が同居するグループリーグを突破した日本代表のカタールW杯での躍進は世界中の注目を集めた。 ロベルト・オラベは、近年、欧州で日本フットボールのブームが起こり、不安や疑念を抱かせることが少なくなかった日本人選手の評価が高まっていると語る。 「近年、5大リーグでも、日本人選手が活躍するケースが目立っている。日本人選手が移籍市場において重要な位置を占め、ステップアップを遂げた後、期待に応えるパフォーマンスを披露している。フットボールの新興国として着実に実力をつけ、以前はオランダやベルギーのようなリーグでプレーする選手が多かったが、その活躍をステップボードにイタリア、イングランド、フランスといったリーグでも存在感を見せている。これは育成が機能し、個人レベルだけではなく、全体の底上げが図られている証左だ」 たしかにソシエダのタケがそうであるように、日本人選手が欧州のクラブで主力級の働きを見せても不思議ではなくなった。オラベは続ける。 「カマダ(鎌田大地:ラツィオ)、ミナミノ(南野拓実:モナコ)、ミトマ(三笘薫:ブライトン)。以前は日本人選手に対するある種の固定観念や先入観のようなものがあった。しかし、彼らのような選手が活躍することで、そうした見方も変わってきた。 彼らだけではない。今や多くの日本人選手が欧州でプレーしている。ブンデスリーガの各クラブは、早くからその実力を評価し、日本人選手がチームの中核を担っているセルティックのようなクラブもある。組織レベル、個人レベル、国内リーグ、あらゆるものが機能していないと、これだけのインパクトを放つことはできない」 ただその中でも、タケはやはり特殊なケースだ。子供の頃からスペインで生活し、スペイン語をマスターした。本人は、「日本人とスペイン人の悪いところを持ち合わせている」と冗談めかして語るが、その培ってきたコミュニケーション能力が、環境へのスムーズな適応を促し、ラ・リーガを代表するアタッカーへの成長を後押ししているのは間違いない。 オラベはこのタケの成功について「時間」というコンセプトに着目する。 「タケには時間があった。時間の管理はそれだけ重要だ。タケは幼い頃からスペインで暮らし、スペインの文化に触れ、言葉を覚えた。おかげでラ・レアルで我々を喜ばす活躍を見せている。しかし彼だけではない。先にも述べた通り、他のリーグやクラブでも日本人選手がただプレーするだけでなく、活躍するケースが増えている」