【借金に潜む魔法と罠】子どもから「なぜ借金しちゃいけないの?」と聞かれたときに正しく説明する方法
子どもに「なぜ借金しちゃいけないの?」と聞かれたら
借金には、魔法のようなパワーがあります。ひとつは、未来を現在にタイムトリップさせること(住宅ローンでマイホームを買うのは、もっともよく使われるタイムトリップです)。もうひとつが、投資にレバレッジをかけると、小さなお金で大きく儲けられることです。 でも物語によくあるように、魔法には必ず罠があります。ここで、「大きな損をする可能性があるときは、リスクは避けたほうがいい」という話を思い出してください。 レバレッジは、リスク(儲かる可能性と損する可能性)を2倍や3倍、あるいはそれ以上に膨らませます。そして、レバレッジが高いほど、リスクを管理するのが難しくなります。 レバレッジをかけることがすべて悪いわけではありませんが、大きなリスクを考えれば、魔法を使うときは慎重にならなければなりません。なによりも、大きな借金をして、返済できずに破産するひとがたくさんいるのですから。 ●こう教えよう 子どもから「なぜ借金しちゃいけないの?」と聞かれたら、「ほとんどの場合、レバレッジをかけても、リスクに見合うリターンがないからだよ」と答えましょう。 ※橘玲・著『親子で学ぶ どうしたらお金持ちになれるの?』を元に一部抜粋して再構成 【プロフィール】 橘玲(たちばな・あきら)/作家。1959年生まれ。早稲田大学卒業。2002年、国際金融小説『マネーロンダリング』でデビュー。同年、「新世紀の資本論」と評された『お金持ちになれる黄金の羽根の拾い方』(幻冬舎)が30万部を超えるベストセラーに。2006年『永遠の旅行者』(幻冬舎)が第19回山本周五郎賞候補。『言ってはいけない─残酷すぎる真実』(新潮新書)で2017新書大賞受賞。著書に『「読まなくてもいい本」の読書案内』(ちくま文庫)、『テクノ・リバタリアン─世界を変える唯一の思想』(文春新書)、『スピリチュアルズ─「わたし」の謎』(幻冬舎文庫)、『DD(どっちもどっち)論「解決できない問題」には理由がある』(集英社)等多数。