【#佐藤優のシン世界地図探索68】ウクライナ終戦三銃士
佐藤 トランプに近寄れませんよ。今回も自爆などを防ぐため、不審人物の接近は阻止できていたはずです。あとは、離れた所から狙撃できないようにきちんとチェックすれば、とりあえずは安全でしょう。 ――トランプが暗殺されなければ、大統領選挙での勝利は堅い。ウクライナ・終戦三銃士は、1月11日から1ヵ月以内にウクライナ戦争を終わらせられますか? 佐藤 それは難しい問題です。相手がありますから。ウクライナ戦争を終わらせるには、まずウクライナの説得が必要です。ゼレンスキーがいる限りは無理でしょう。 それから、ロシアにも話を通さなくてはなりません。なので、米国が一方的に決められることではないのです。 ――なるほど。 佐藤 しかし、基本的な方向としては収束に向かいます。 ――戦争終結。 佐藤 戦争は終結ではなく停戦です。今度は外交の場で「戦争」が継続されます。以前から言っているように、バイデンが再選しようとトランプが大統領に返り咲こうと、結果はどちらも一緒です。すなわち、撤退したバイデンの代わりの誰かが、再選しても同じです。米国は、これ以上戦争を続けられません。自国が干上がってしまいます。これは米国の生産力の限界から生じる問題です。 ――戦争が続くとしたら? 佐藤 米国次第ですよね。 ――ロシアのラブロフ外相は7月17日に「米国が兵器供与をやめれば戦争は終わる」と発言しました。 佐藤 そうです。米国が武器と支援金を止めれば終わります。ウクライナは継戦能力のない国ですから。 ――すると、あとはウクライナのゼレンスキー大統領を説得して、和平交渉を受け入れさせていく方向ですか? 佐藤 それは米国の新しい大統領、次期政権の課題ですね。この戦争を続けても、ロシアを弱体化させるという米国の目標は達成できません。だから、どこかで止めないとならないです。 ――2年以上経過して、ロシアを弱体化させることができないとわかった。それって、頭悪すぎませんか? 佐藤 かなり悪いですよ。 ――すると、米国からウクライナへの兵器と金の流れが止まるとすると、ウクライナの戦いの流れは?