岩佐歩夢が自身プロデュースのイベントを開催する理由……認知度拡大がF1シート獲得の”重要な要素”「レッドブルからのタスクのひとつです」
■日本のモータースポーツ人気を高めるために必要なこと
とはいえ現在の日本では、モータースポーツの人気がそれほど高いわけではないのも事実だ。テレビのニュース、新聞などで大きく取り上げられることも正直少ない。 この状況を打破するためにはどうすべきか? それについて岩佐に尋ねてみた。 「難しいことだと思います。個人的なプロモーションなら、人ぞれぞれ違うと思います。ブランディングや、それぞれの売り方も色々とあると思います」 「でも結局はそれも、モータースポーツというか車の業界の中でどれだけ売れるか、広まるかということになりがちかなと思います。そうじゃなくてその外、車だったりモータースポーツのファンじゃない人たちに向けて何ができるか、どう興味をもってもらえるかということについては、違う考え方をしていかないといけないです」 世界でトップの成績を残す日本人ドライバーが登場すれば、自ずと人気が上がるのではないかという意見を聞くこともある。しかし岩佐は、今の日本では、成績を残しただけでは、認知度が上がることはないのではないかと危惧しているようだ。 「野球をはじめとしたメジャーなスポーツならば、それぞれのアスリートがそれぞれの仕事、競技でのパフォーマンスに集中していても、そもそもの認知度があるからいいと思います。でも、一般的な認知度がない我々みたいなスポーツは、ドライバーだけではできないし、メディアさんも含め、モータースポーツに関わる全員で、この輪を外にもっと広めていかなきゃいけないというイメージは持っています」 「F1で可夢偉(小林可夢偉)さんが3位になったり、角田(角田裕毅)選手が1年目のアブダビで4位になったり、ああいうのも本来ならば良い話題のはずです。ひとりでF1に乗って、世界で見ても3番目、4番目という成績なんですからね。でもそういうのが、メジャースポーツと同じように取り上げられていない気がします」 「そういう結果がちゃんと取り上げられているならば結果が全てと言えるんですけど、何か自分の中でひっかかる部分があるんです。結果だけで全てが変わるとは、感じていない……何かあるんだろうなとは思うんですけどね」 「正直、そこまで考えるキャパシティが、僕にはありません。でも、イベントをやることによってこういうメリットがある、そのメリットのためにイベントをやるためにはどうしたらいかということまでは自分で考えながら……それこそ生活の中で時間を少し割いて、その空いている時間に頭を使って考えて実行するということはできる範囲でした。ですので、イベントやSNSに今はチャレンジしています」 なお岩佐は、今後も自身プロデュースのイベントを開催していきたいと考えているという。ただ、開催場所・時期はまだ未定だ。 「本当に未定ですけど、今お伝えできるのは、継続的にというか……僕がスーパーフォーミュラに出ていなくても、F1やそのほかのどこかへ言っても、そういう活動は継続的にやりたいです。スーパーフォーミュラにいたからイベントやりました……じゃなくてです」
田中健一
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