台湾社会全体の防衛・防災の強靭性強化へ 頼総統が三つの要点発表 委員会初会合
(台北中央社)頼清徳(らいせいとく)総統は26日、台湾社会全体の強靭(きょうじん)性強化を目的に立ち上げた「全社会防衛強靭性委員会」の初会合に出席し、三つの要点を発表した。政府と民間が一丸となることで、防衛・防災の強靭性構築を図る。 頼氏は総統就任から1カ月たった6月19日、同委員会の設立を発表。国家が緊急事態や自然災害に直面した際に政府と社会が通常の機能を維持できるようにすることを目的とし、国防、民生、防災、民主主義の四つの分野で強靭性を強化する方針を示した。 頼氏は、蔡英文(さいえいぶん)前政権では、政府は社会の強靱性向上や基盤固めのため、政府や民間の資源を点検したと言及。これからは「点検」から「検証」に移らなければならないとの考えを示した。 頼氏が提示した要点は(1)全方位で積極的な整備を進め、災害や緊急事態に直面した際に政府と民間が即座に力を発揮し、社会の通常の働きを維持できるようにする(2)民間の力の訓練と運用を拡大させ、戦略物資の点検・整備や生活物資の配送、エネルギーや重要インフラ設備の機能維持を強化する。社会福祉、医療、避難施設を整備する他、情報通信、運輸、金融ネットワークの安全性を確保し、台湾の危機対応力を高め続ける(3)中央政府から地方政府まで、全方位での点検と演習を行うとともに、民間団体や社会の力の結び付きを拡大させ、互いに連携、協力する。これにより、系統的、専門的なやり方で問題のあぶり出しや対策の策定、着実な実施を行い、問題解決につなげる―の3点。 頼氏は「台湾の人々が団結すればするほど国家は安定し、台湾社会の準備が充足すればするほど国家は安全になる。台湾が自己防衛の決意を持てば持つほど、国際社会は安心する」と強調し、人々に対し、共に努力することを呼びかけた。 (温貴香、游凱翔/編集:名切千絵)