わいせつ事件裁判の傍聴席に職員動員!横浜市教委の対応を松尾潔が斬る
教員によるわいせつ事件の裁判で、一般の人が傍聴できないよう、横浜市教育委員会が職員を動員して傍聴席を埋めていたことが明らかになった。この問題について音楽プロデューサーの松尾潔さんが5月27日に出演したRKBラジオ『田畑竜介 Groooow Up』で、組織ぐるみの対応を痛烈に批判した。 ■税金を使って組織ぐるみの隠蔽 これは許せない話です。2019年から2024年にかけて、強制わいせつ罪に問われた小学校の校長など、教員が被告となった4つのわいせつ事件の公判で、横浜市教育委員会が職員を動員して傍聴に行かせて席を埋め、一般の人たちの傍聴を阻んでいたことを公表しました。 公開の法廷で開かれる裁判は、マスコミの注目を集めるような大事件などでない限り、傍聴席は先着順で、かつ、立ち見は認められていないので、動員をかけて席数を満たす人たちを並べておけば、一般の人たちは入れません。 これは東京新聞のスクープだったのですが、要は組織ぐるみで不利な情報を隠蔽したということです。中には旅費を支給するケースもあったということですが、当然、その原資は税金です。 ■出張を命じる文書に「待ち合わせは避けて」 市教委の説明によると、混乱を招かないためにだとか、被害者からの要望もあったなどを理由として挙げていますが、それを裏付けるやり取りの記録が残っているかというと「それは残ってない」と言っています。 おまけに動員をかけるときには、集団で来たことがわからないように「待ち合わせは避けてください」と出張を命じる文書に注意事項としてあらかじめ書いていたという用意周到ぶり。市教委は今回その文書を突きつけられて「市の事案だと悟られないようにというのは実際ありました」と認めています。 ■国民の知る権利が脅かされる この問題の論点としてまず、裁判公開の原則という、憲法で保障されている基本的な事項が大きく歪められているということが挙げられます。国民の知る権利というものが、大いに脅かされるということです。