【大学野球】宗山塁は「感謝の気持ちでいっぱい」今秋限りで明大・田中武宏監督が退任
試合後の会見で電撃発表
【11月4日】東京六大学リーグ戦第8週 明大6-4法大(明大2勝) 明大は法大に連勝。8勝3敗2分け、勝ち点4で全日程を終え、昨春以来のリーグ制覇に望みをつないだ。第9週に控えた首位・早大が慶大戦で1勝すれば、優勝が決まる。早大が慶大に連敗すれば明大と同率で、優勝決定戦へと持ち込まれる。明大はあくまでも待ちの立場だったが、負ければV逸という法大戦で踏みとどまったのである。 【選手データ】宗山塁 プロフィール・寸評 敗戦チーム・法大の10分間の取材が終わると、連盟広報担当のマネジャーが「明治の取材は5分後に行います」とアナウンスがあった。勝者チームは通常であれば、会見場の横で待機しているが、この日は空気感が違った。 明大・田中武宏監督は記者会見冒頭、遅れた理由を「ミーティングで、プレーオフ(優勝決定戦)に向けての話をしました。まずは、リーグ戦を終えたので……」と明かした。説明するまでもない。他力ではあるが、学生たちにもう一度、奮起を促した。早慶戦は11月9、10日に組まれる。早大が慶大に連敗すると、明大とすれば、雌雄を決する一戦だ。 「(優勝決定戦は)最短で中1日の12日ですか……。早稲田さんには来てもらいたいなと思います」(田中監督) 10分間の記者会見後、田中監督は突然、自ら切り出した。電撃発表だった。 「今季限りで退任ということで、選手たちには先に伝えました」 後日、大学側から正式に発表されるが、2020年春から指揮した田中監督は今秋限りでユニフォームを脱ぐこととなった。後任監督はこの日、大学から後日発表されることが明かされた(5日夕方に監督交代のリリース)。
主将・宗山塁(4年・広陵高)は4年間、指導を受けた指揮官へ「思い」を述べた。 「高校のときから見ていただいた。最初はうまくいかないこともあり、ミスもたくさんしました。その中でも我慢して使ってくださった。この4年間の経験がなければ、今の自分はない。本当にチャンスを下さって、ゲームに出させてもらい、感謝の気持ちでいっぱいです」 頭を下げるのはまだ、早い。「早慶戦をしっかり見て、良い結果を待ちたい。そこから先は、これまでの経験を生かして、良いものにしていきたい」。5日は休養日。6日から再び、天皇杯奪還を目指した練習を再開する。 文=岡本朋祐
週刊ベースボール