バカげた閣僚人事にも「トランプの賢さ」が見える...今後を占う「6つのポイント」
5. トランプ2.0の新星は誰?
新星は国連大使に起用されたエリス・ステファニク下院議員だ。女性として最年少で連邦議員に選ばれた頃は穏健な主張を掲げ、民主党員と見まがうばかりだったが、今ではトランプの熱烈な支持者の一人だ。 激しやすく、党派的な人物ではあるが、国連大使のポストは政治的に飛躍する絶好の足がかりとなり得る。いずれは下院議長との呼び声も高いが、その先に見据えている大きな目標は大統領だろう。 ちなみにジョージ・ブッシュ(父)は国連大使から大統領になったし、マデリン・オルブライトは国連大使を経て国務長官まで出世している。 国連の場で、アメリカ代表として立ち回ればステファニクの知名度は一気に上がる。そしていつの日か、ホワイトハウスへの道を歩み始めることだろう。
6. 娘婿クシュナーはどこに?
1期目のトランプ政権で、娘婿ジャレッド・クシュナーは最も広範かつ重要な役割を果たした。しかし今は政治の表舞台から姿を消している。 クシュナーは元民主党員だから、21年1月6日の連邦議会議事堂襲撃事件以後は義父から距離を置いているという説もある。だが彼はホワイトハウスでの地位を利用してサウジアラビアやカタールで稼いできた。 サウジの政府系ファンドはクシュナー絡みの案件について難色を示していたが、皇太子ムハンマド・ビン・サルマンの鶴の一声で承認された。なにしろ第1次トランプ政権でのクシュナーは、ムハンマドの最大の支援者だった。 そんな金づるとの関係を断ち切って、クシュナーがホワイトハウスに復帰する可能性はあるだろうか。義父とワイルズの関係がこじれれば、あり得る。現状ではワイルズが大統領の右腕だが、いざとなればクシュナーの出番になるだろう。
サム・ポトリッキオ