「ミレーナ」は避妊具なのに、生理も楽になるって本当?
宋:また、一般的に女性は母親から生理の情報を得ることが多いと思いますが、母親が自分の経験として「生理とは痛いもの、我慢するもの」と伝えたら、子どもは「そういうものなんだ」と受け入れてしまい、婦人科につながりにくくなります。 便利な生理用品や選択肢は増えているので、社会人になってからも、生理や女性特有の健康課題について、情報をアップデートしていってほしいです。 最近では男性が生理痛を体験する研修や、女性の健康に関するセミナーを開催する企業も増えてきています。こうした波が社会全体に広がるといいですね。
編集後記
2024年2月に経済産業省ヘルスケア産業課が発表した「女性特有の健康課題による経済損失の試算と健康経営の必要性について」によると、月経随伴症状(生理痛やPMS、過多月経など)による社会全体の経済損失は約6,000億円だそうです。 社会全体が生理についての知識をアップデートし、女性が気軽に医療機関に通えるようにしたり、ピルやミレーナを利用するハードルを下げたりすることで、この経済損失は改善できるのではないかと思います。 生理の課題は、女性だけでなく「社会全体の課題」なのだと、取材を通じて感じました。 宋美玄(ソン・ミヒョン) 1976年生まれ。兵庫県出身。子育てと産婦人科医を両立し、メディア等への積極的露出で “カリスマ産婦人科医”としてさまざまな女性の悩み、セックスや女性の性、妊娠などについて、女性の立場からの積極的な啓蒙活動を行っている。
日本財団ジャーナル編集部