子どもの脳に悪影響を及ぼす「子育ての誤解」 “泣かない=いい子”として育てられた子の“危うさ”
泣かない自制心=階段部分から育てることはできない
ただし「脳育てには順番がある」とお伝えしたように、いきなり前頭葉から育てようとするのは間違いです。 「からだの脳」が育つ5歳までの間に、原始的な感情を親に受け止めてもらうことなく、あたかも時期尚早にこころの脳が育ったかのような「いい子」にふるまうことを強いられてしまうと、「おりこうさんの脳」ばかりが強化されたアンバランスな脳になり、結果として脳育ては失敗する可能性があります。「自分の感情は、親に伝えてはいけないのだ」と間違った学習をしてしまうと、思春期には親に何も話してくれない子になってしまうこともありえます。 脳育ての理論上、5歳までは感情をコントロールできなくて当然です。極論、「いい子は危険」。周囲にはおりこうさんで通っているような子が、陰では友だちにいじわるや乱暴をしているケースも珍しくありません。 わが子が悲しくて大泣きしたり、「いやだ、いやだ」と騒いだりしていたら、それは立派な原始人が育っている証。「そうだね、大事にしていたおもちゃが壊れちゃって悲しいね」などと、本人が出している感情をそのまま受け止めてあげてください。 【「からだの脳」より先に、「こころの脳」を育てるのは間違い。立派な原始人を育てるため、感情の発露を抑えつけるのではなく、そのまま受け止めよう】 もう一つ気をつけたいこととして、次回は「自立」についての誤解を取り上げたいと思います。
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